【山ナース日記】 Vol.31 「私のセブンルール2020」

山ナース

2020新しい年がスタートしました。
山ナースガイドとなって無我夢中のあっという間の一年でした。

新たな年の初めに自分のビジョン(未踏峰)にコンパスの針を合わせ再確認すべく
山ナースとしてこだわったり、心がけたりして
自分自身に貸している私のセブンルール(7つのこだわり)をあげてみました。

<山ナース7つのこだわり>

ルール1
目標(ビジョン)を持つ

子供のころは勉強嫌い、しかし好奇心旺盛で冒険好きでした。
大きくなると、「勉強は知らなかったことを知る事、だから楽しい」と気づきました。。
私の目標(ビジョン)はプロになること、つまり山ナースを職業とすることです。
一見、実際に山ナースガイドになったので目標達成したようにみえるかもしれませんが
社会に求められるような存在にはまだまだ程遠いです。
しかし、25年間の臨床での看護師経験を活かし、山岳医療の知識と技術、登山ガイドのとしての知識と技術を、
持ち合わせることで可能性は広がると思っています。
すべての山岳看護師が、この道の後をついてきてほしいとは思っていません。
情熱を以って取得した認定をどのように活かしていくのかは、その人次第だと思います。
私は自分のビジョンがなければ、山ナースガイドへの船を出港することはできなかったと思います。

ルール2
プロ意識

「看護師は真面目」とよく言われます。周りの看護師を見ても本当に真面目だなとつくづく思います。
しかし私は、真面目に誠心誠意、全力で取り組むのではなく、
丁寧にしっかり活動することを心がけています。
日本で初めてのプロの山ナースとして心がけていることは「丁寧な仕事」です。
日本には山岳看護師はまだ数少ないですから、出会う人は「初めて山岳看護師を見かけた」という人がほとんどです。
自分の第一印象で、山岳看護師の世の中での印象が決まってしまいます。
常に自分は看板を背負っていると思って活動しています。
「プロだね~」といわれるのが私にとっての最高の誉め言葉です。

ルール3
ニーズに応える

ニーズに応えるといっても、何にでも応えるのではありません。
国際山岳看護師ではありますが、海外で看護師が出来るというものではなく、
国際山岳看護師検定過程に合格しただけです。
日本国内において、国家資格である看護師の法的に定められている領域内でしか活動することは出来ません。
医師の代わりに薬を処方したり、死亡診断ができるわけではないのです。
しかし、そこに人がいる限り健康や医療的なニーズは発生します。
「看護師さんがいたら、そりゃ安心だよ」をいう声は多く聞かれます。
ニーズは多いと感じてはいるものの、どこにどのようなニーズや需要があるのか、いまだ未知の世界です。
ニーズに応えるために、ニーズを拾う。そのための模索は今後も続きます。

ルール4
コネクト=繋ぐこと

山ナースとして現場で対応する時、大切にしていることは繋ぐ(コネクトする)ことです。
誰に繋ぐのか・・・その相手は医師や下界の病院です。
看護師の役割は診断ではありません。山中では本格的な治療はできません。
情報収集し、アセスメントし、適切な処置を施し、次につなげる。
山岳医療では必ず、地元の下界の医療体制、そして警察・消防・自治体、また山小屋の方々やガイドなど、
山にかかわるすべての職種がいわばワンチームとなって初めて救命できると思うので、
コネクトすることを意識して山岳医療に携わっています。

ルール5
発想の転換

ピンチをチャンスに変える精神は、人生の中で幾度となく助けられてきました。
チャンスも来るかもしれないが、ピンチは必ずやって来ます。
ピンチをチャンスに変えるのに、発想の転換を意識し、想像力を膨らませることはとても重要ですし、
想像力は危険を予知する能力となり、リスクをマネジメントする上でとても大切になってきます。
そして「プラスに考える」という発想は、ポジティブな芽を見出してくれます。
登山では根拠もなく安易にプラス思考してはいけませんが
多面的に物事を見ることはとても大事と思います。

ルール6
現場の判断力
登山は大自然の中に身を委ねます。
現場で空気や風を感じ、空を見上げ、登山は常に判断しながら歩みます。
私は判断力を養い傷病者に寄り添うために現場にこだわっています。
登山者に一番近い存在でありたい、しかしそれは危急時に現場に一番に赴くというわけではありません。
山岳医療の知識だけで山岳診療所に中にいても、ベストな対応はできないと思います。
山ナースの関わる対象者は登山者だけでなく、山に携わるすべての人が対象者といえます。
山にかかわる多くの方々とふれあい知ることで、現場の判断力を高めていきたいと思っています。

ルール7
心と体の柔軟性(ホットヨガ)

発想の転換と類似しているかもしれませんが
中学の遠足の時に気がついた「楽しいかどうかは自分次第」
しなやかで強い、心と体を手に入れたい。
誰も通ったことのない道を進むのに、もしかしたら「仁王の亦くぐり」や「産道」くらい
体をよじり、自分を信じなければ前に進めないかもしれません。
そこで、柔軟な体と心をホットヨガで手に入れるために、月に4回通っています。
アハハ、ちょっと大げさですがリフレッシュも兼ねています。
ホットヨガの先生に言われた言葉「股関節の硬さは、ココロの硬さです」
Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン あたしカッチカチやねん!
しかし先生曰く、ココロ自体が硬いのでは無く、どうやら顔(精神)と股関節がつながっていて、
緊張したりすると顔に力が入り硬くなる、そうすると股関節も力が入り硬くなるらしい(´▽`) ホッ
まずは顔の力を緩めることから頑張ります!!・・・いやいや頑張らないようにしないと(笑)

地に足をつけて可能性を信じて
今やっている一つ一つの地味な活動は、すぐに結果が出るものではないかもしれないけど、
芽を見出す可能性を信じてポジティブに着実に活動していきたいと思います。
『眼は遠くを、足は地に』をモットーに。

昨年お世話になりました皆さまに御礼申し上げるとともに
本年も何卒よろしくお願いいたします。