【山遊び♪レポート】日本三大急登「谷川岳 西黒尾根」 ~あれ!?本当に厳冬期???~

山ナース

時期:2020年2月
報告:ホームページ管理人Mu

本当は、秋に攀じた谷川岳東尾根を、厳冬期に登りたかったのですが、群馬県谷川岳遭難防止条例の第六条に基づき、「冬山の期間」(12月1日~2月末までの間)は危険なので、東尾根を含む危険地区内の登山はしないように努めて下さい。という文章が大人な我々に自制を促し(!?)、西黒尾根を登ることにしました。

日本三大急登、積雪期には難易度も上昇
西黒尾根は、日本三大急登としても有名ですが、そこまでの標高差があるわけではないので日帰り圏内です。また、積雪期には無雪期と違った雪の状況による難しさがあるため、標高差や急登ということでは表せないものがあると思います。
ちなみに私が西黒尾根を登るのは無雪期2回、積雪期2回で、今回は積雪期の3回目になります。過去の積雪期は、それなりのラッセルに苦労して簡単には登らせてもらえなかったという強い記憶が残っています。

今年は雪不足に高温→どんな雪質か!
ちょうど1週間前の「雪山講習:はじめの一歩」(その様子は、こちらをクリックして下さい。)の時は、それまでの雪不足がウソのようで「さすがに豪雪地帯!」という積雪でした。ところが、水上インターを降りてビックリ!あの雪は跡形もなく消えていました。そうです!その週は、暖かな春のような陽気が続いたのです。水上でも何日も10度以上の最高気温を記録しています。実際に登る日も最高気温16度の予報が出ており、春山のようにグズグズの雪だったら嫌だなぁと思いました。
ロープウエイ駅を暗い中出発します。先週は滑らないように慎重に歩いた登山指導センター前の道路も、完全にアスファルトが出ています。指導センター先のゲートから積雪がありますが、トレースもズボズボとなり歩きにくい状況、「これは苦戦するかも・・・」と思いました。

まさかの夏道露出!
西黒尾根もズボズボと埋まる箇所があり、朝でこれでは昼間は温度上昇により、春山のように“踏み抜き地獄”と化すのではと心配します。通常の積雪期であれば、まっすぐに尾根上を目指して上がっていけば良いですが、今回は夏道が出ている箇所があり、雪解け水が流れています。

このあと何度も口にする「厳冬期の谷川岳を登っているんだよね!?」という言葉がここで初めて出ました。

しかし、高度が上がり樹林帯を抜けてくると気温も下がってくるためか、ガッチリと固く締まった状態となり歩きやすくなりました。いきなりズボッと足元が崩れて滑落するのではないかという心配もなくなり、あとは体力との相談です。数日前についたであろうトレースの主の苦労を想い、そして感謝しつつ、ひたすらピッケル1本と2本の脚を規則正しく動かして登っていきます。

暖かく良い天気にアウター使わず。。。
振り返ればトレースのついた尾根、

見上げればガスから顔を出し始めた山頂。

景色を眺められる余裕があるのも暖かい天気のおかげです。まだ天神尾根からは誰も登ってこない(ロープウエイが動き出すと多くの登山者が登ってきます。)ガラガラの山頂に到着しました。

風は強いですが、長居はしないのでアウタージャケットを使わずに下山です。

厳冬期らしくない天気と積雪量でしたが、来年以降に「あの年は暖かくて良かったなぁ~」なんて思い出話になるような“今年限定”の気象条件だと良いな、と思っています。

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