【山遊び♪レポート】日本一低い山 ~日和山登山記録~

山ナース

時期:2020年3月
報告:小林美智子

東日本大震災から9年が経った今月、仙台の友人を訪ねる機会を利用して“日本一低い山”に登ってきました。
日本一低い山「日和山」があるのは、仙台港の太平洋に面した蒲生干潟の中にあります。
この地域も津波により大きな被害を受けて、現在でも堤防の工事中ですが、登山者用の駐車場も十分に確保されています。残念ながら、公共交通機関では登山口となる駐車場まではアクセスできないため、最寄駅から1時間ほど歩くか、タクシーを利用するしかありません。

登山口から日和山は、堤防に阻まれて見ることができません。まずは、最近完成した堤防へと7mほどの登山道(堤防)を登ります。

堤防の上に出ると、眼前に蒲生干潟、奥に太平洋を望むことができます。

ただ、日和山はどれか分かりません。さすがは日本一低い山です!

堤防を登ってきた高さだけ海の方へと下りていくと、両側をトラロープ(黄色と黒色の工事現場等でよく使われるロープ)で囲われた登山道が右側へと曲がり堤防沿いに進んでいきます。

日本一低い山の割には長い登山道ですが、周りの干潟の中に鳥が羽を休めている姿を見ることができ、飽きるようなことはありません。

しばらく歩くと右側の堤防が工事中となり重機や作業員が働いている様子が見えます。すると、突然に山頂に到着しました。山頂とは言ってもケルン状に盛られた石に山頂の標識があるだけですが・・・

本来の登山道があったであろう右側の堤防側から回り込むと、しっかりとした登山道があります。

さらに東日本大震災以前の写真や日和山についての説明書きがあります。

津波が来る前は、標高6.05mだったものが津波により削られ3mとなった、とのことです。

多くの山で登山道や標識の整備をしてくださっている方々がいますが、ここ日和山もそうした方々のおかげで、津波後も登山が可能になっているのでしょう。そうした方の存在を思い出させてくれる山でした。

また、駐車場までのアクセス途中には東日本大震災慰霊の塔もあります。日和山登山の際は、ぜひ寄られてみてはいかがでしょうか。