【山ナース日記】vol.39 「富士山閉鎖」富士山救護所看護師の思い

山ナース

5月15日山梨県と静岡県から、今夏の富士山登山道の閉鎖が発表されました。
噴火を除いては歴史上で初めてとなる夏山富士山は開山が出来ないこととなりました。

既に、感染リスクが高まる三密(密閉・密集・密接)をどうしても避けられない富士山山小屋組合からは一斉休業が発表されていました。
国内の多くの山岳診療所や救護所は山小屋に隣接し、山小屋の協力のもと一体となって山岳医療活動を行っています。

しかし、今年はすべてが想定外の状況になってしまいました。
医療業界ではコロナウイルス感染の対応に追われ、山岳領域での医療活動に手が回らないというのが現状です。

毎年、山梨県側の富士山では、山小屋組合、8合目・7号目・5合目救護所、警察、消防が救護連盟協議会を開催し一体となって救護に取り組んでいます。

しかし、この救護連携も登山道の救急車となるクローラーを出してくれる山小屋の多大なる協力があってのものです。
そして、山小屋は山岳遭難事故など緊急時の対応拠点の側面もあるので、山小屋も救護所もない中での登山者の安全確保は困難といえます。

 

山梨県吉田口総合管理センター内の五合目救護所
     

スバルライン五合目は、登山者と観光客でいつもごった返しています。
 

協力金を払って、いざ入山。
一日で多い日にはなんと!6,500人もの登山者が一つのルートに入山します。
        

雲海を見ながらの下山。
ご来光後、一斉に下山するので、人が多くて凄い砂ぼこりです。
    

例年25万人が訪れる富士山
開山できないことは非常に残念なことではありますが、地元あっての登山。
麓の医療体制や保健所、行政や警察消防の支えがあっての山の安全なので、
登山者は山に登らせてもらっているという気持ちでなければならないと思います。

2020年は富士山を休ませてあげましょう!