【山ナース日記】vol. 70「山と地震」冬季山岳医療活動その4

山ナース

まだ2月の中旬ですが春のような陽気で、美濃戸林道では気温の上昇でが登山道の氷が溶けて、また凍ってツルツルになるというのを繰り返す時期になってきました。
そんな中、冬季4回目の赤岳鉱泉山岳医療ボランティアに赴いてきました。

私の任務日は悪天候が多い(汗)のですが、
今回は2日間とも快晴で、素晴らしい八ヶ岳ブルーを堪能できました。
 

 

そして今回の活動中、2回地震に見舞われました。
最初の地震は20時頃、山梨県を震源とした震度3の揺れを感じました。
更にその後、すっかり寝静まった23時頃、今度は福島県沖を震源とした震度6強の地震の影響で、
再度、長いゴゴゴゴゴ~という揺れを感じました。
はじめは雪崩かも!?とも思いましたが、揺れの感じから地震だと分かりました。

夜中の長い揺れですっかり目が覚めてしまった私は、その後、布団の中で2015年のネパール大地震(死者9千人)の雪崩と地滑りで跡形もなくなってしまったランタン谷のことを思い出していました。
下の写真は、私が2018年にネパールのゴサインクンドへ行った際の登山道から見えた山体崩壊後のランタン・リルン山です。

地震の後、ランタン村には日本から多くの支援の手が入りました。

<ランタン・リルン山(標高約7000m)>

赤岳鉱泉は雪崩の被害を受けない安全な場所に設立されていますが、
地震の発生時刻が、登山者の行動中の時間でなくて本当に良かったと思いました。
 

 

今回一緒に活動した国際山岳看護師のFさんは男前登攀系女子です。
今回も我々が活躍することなく、平穏な南八ヶ岳となり良かったです。
 

小屋の中で、とっても心温まるものを見つけました。
この週末に八ヶ岳を訪れた登山者は皆、素晴らしい八ヶ岳ブルーを見ることができましたが、自分の足で目で絶景を味わったと思います。

赤岳鉱泉での冬季山岳医療ボランティアは、週末や休日に山岳医・山岳看護師を中心とした有志が小屋に滞在するという活動で、3月末まで続きます。
腕章をつけた医療者を見つけたら、応援よろしくお願いいたします。