【山ナース日記】vol. 100 八ヶ岳初「赤岳鉱泉山岳診療所」を開設しました! 

山ナース

記念すべき山ナース日記100回目は、全力で取り組みオープンすることができました「赤岳鉱泉山岳診療所」の開設について記したいと思います。

八ヶ岳初の山岳診療所、そして日本初の通年の山岳医療活動となる赤岳鉱泉山岳診療所が、7月3日㈯にオープンいたしました。

昨年の夏より、赤岳鉱泉では1年(夏季3か月間・冬季4か月間・GW)にわたり日本登山医学会の有志の山岳医&山岳看護師を中心としたメンバーにより山岳医療活動を行ってきました。
その経験を生かす形で、山岳診療所として正式に保健所に届け出を行い、地元の諏訪地区山岳遭難防止対策協会の後援を得ることができました。
この診療所は、山岳の医療者だけでなく、山小屋・ガイド・県警・遭対協・登山者など、連携してチームプレイで山の安全に貢献することがコンセプトになっています。
 

実は赤岳鉱泉では3年前より山岳医&山岳看護師の有志で冬のみ活動を行っていましたが、昨年夏より1年間通して活動したことで、南八ヶ岳に関わる方々からの要望や期待、多くの参加者よりの声を受け、山岳診療所を立ち上げるというビジョンが見えました。
今年に入ってから診療所立ち上げの準備を進め、長野県警や行政・保健所のご指導を受け、開設のための協賛のお願い、運営委員会の立ち上げ、小屋内のリフォーム、医療物資の調達・設置など、様々な準備を赤岳鉱泉オーナーの柳沢氏(下の写真左)、国際山岳医の師田医師(同、右)と三人でしてきました。

現在は、多くの国際山岳医&国際山岳看護師のメンバーも集結して「赤岳鉱泉山岳診療所運営委員会」も立ち上がり、一緒に運営を行ってくれていますので、大変心強いです。
赤岳鉱泉山岳診療所は、山岳医&山岳看護師の新たな活動の場でもあり、活動のモデルケースとなりますので継続できるように努力し、更に今後、全国の山岳地域で広がってくれるといいなと思っています。

赤岳鉱泉は登山口から3時間というアクセスの良さから、多くの登山者が訪れます。
我々は状況に応じて体調不良者や傷病者のファーストエイド(救急初期対応)と下山時のサポートをボランティアで行いますが、ふもとでの医療(治療)につながるための処置が主なので、治療や投薬などの積極的な医療行為は行いません。
夏季は7月〜10月、冬季は12月〜3月、期間中の週末と祝日、年末年始や大型連休などに、医師及び看護師が駐在します。

お気軽にお声がけください。