【山ナース日記】vol. 103「東京2020大会」MTBレスキュー活動参加

山ナース

静岡県伊豆市にある日本サイクルスポーツセンター特設コースで開催された、東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会MTB (マウンテンバイク)競技の山岳レスキューチームの一員として6日間活動してきました。
 

MTB競技では、そのコースの特性から、コースアウトして選手が崖下に転落したり急斜面の岩場などで負傷した場合に、メディカルチームではレスキューが難しくなります。
そこで、山岳レスキューとしてteamAG(アドベンチャーガイズ)が請け負うことになり、近藤謙司さんよりレスキューチームメンバーとしてお声がかかりました。
山岳領域を専門とする国際山岳看護師としては、このような場面でのお声がけは正に出番なので、山岳医&山岳看護師がだんだん認知さられてきたいると感じ、有難いと思いました。

MTBのコースを下見して、改めて危険が伴うスポーツなのだと実感。
レスキューが必要な選手は、先ずはメディカルがレスポンスして、現場から我々がストレッチャーボードに乗せ搬送し電動救急車(下の写真)に乗せるまでを担当します。
その後、負傷者は本部まで搬送され本物の救急車で病院に向かいます。
 

大会そのものは、公式練習3日間、そのあと男子決勝、続いて女子決勝の5日間ですが、レスキューチームは大会前日入りし、崖にフィックスロープを設置したり、引き上げのためのロープを構築したりと、選手が練習走行する前から準備を行いました。

こんな崖下の沢筋に落ちることも想定

コース上の鞍部からのロープ引き上げシステム

選手たちの練習時間以外で、繰り返しレスキュー訓練を行いました。
山の中、そして競技中(怪我人が出ても競技は継続されます)の想定をしながらのレスキュー訓練は本当に良い経験になりました。
  

とにかく元気で明るいレスキューチーム
最初、会場内にハーネス付けてジャラジャラと登場した我々を見て、なんだなんだと興味津々な会場内のスタッフさん達でしたが、
そのうち他のスタッフからは、レスキューチームの女子は「パワフルガール」と呼ばれるようになりました(笑)
 

東京2020大会の開催に関しては賛否両論ありましたが、参加したアスリートや周りのボランティアスタッフの姿を目の当たりにして、私自身とても感動しました。
公式練習や本戦では転倒者は出たもののレスキューの出番はなく、本当に良かったです。
このような経験をさせていただき感謝いたします。
また、この経験を今後の山岳医療活動にも是非役立てていきたいと思います。
レスキューチームの皆さん、とても楽しい6日間ありがとうございました。