【山ナース日記】vol. 138 年末年始「赤岳鉱泉山岳診療所」

山ナース

年末年始活動日 2021年12月29日㈬~2022年1月3日㈪ 6日間
総活動者 国際山岳医3名・国際山岳看護師2名 1日2名体制(複数日担当有り)

赤岳鉱泉山岳診療所は山岳診療所としては2021年夏に開設しましたが、その前身として数年前から国際山岳医のT先生が発起人となり山岳医&山岳看護師の小屋滞在という冬季活動を行っていました。
2年前からは日本登山医学会認定の山岳医&山岳看護師の有志で委員会を設立し、夏季と冬季の通年での毎週末の活動となり、2021年からは日本初の通年の山岳診療所として活動をしております。

例年、年末年始などの大型連休時は遭難事故や傷病者の発生が増えるため、この年末年始も対応に慣れている運営委員会の国際山岳医&国際山岳看護師での活動となりました。

殺風景な診療所にならないよう、季節ごとの装飾も取り入れています。

夜間、山の中で明かりがついていると、極寒の南八ヶ岳であっても心が温まりますね。
外から眺めていたら、山岳診療所が登山者にとって「安心の明かり」となるようにしなければならないと思いました。
 

30日、長野県警と諏訪地区遭対協の隊員の方々がパトロールで赤岳鉱泉に宿泊されたので、
救助や救命に関しての情報交換や今後の連携について有意義なお話が出来ました。

八ヶ岳では、クリスマス週末に遭難事故が発生し、2名の登山者が生還しました。
遭難者が赤岳鉱泉にたどり着いてからの、山小屋・診療所・警察・遭対協・消防(救急車)・地元医療機関の連携は素晴らしく命をつなぎとめることができました。
 
雪山は美しく厳しい。
こんな八ヶ岳ブルーのキラキラした美しい景色も稜線上では爆風です。
年末年始の期間、凍傷の患者さんが何人かいらっしゃいました。
冬山では見極めと判断そして装備が、命取りになる事があります。
皆さま、十分注意して安全登山を楽しんでください。