【山怖い🥶レポ】恐怖! 夜×雨×単独×登山 ~妄想との孤独な戦い~

山ナース

時期:2022年4月
報告:ホームページ管理人Mu

こんにちは!ホームページ管理担当者のMuです。
講習会やガイドプランの際に雑談をすることが(よく)ありますが、今日はその雑談の中でも「夜に一人で歩くのが怖い」という話しを投稿します。
もしも、同じように一人で歩くのが怖いと思っている方がいたら、これ以上は読まなくて構いません。
むしろ読まない方が良いかも知れません。というのは、この手の話しは聞くと感染(!)する場合があります。

感染と書きましたが、実際にウィルスとかに感染するわけではありません。ここでは同じシチュエーションになった時に、過去に読んだり聞いたりした内容を思い出してしまう事を感染と言っています。
具体的に書くと、私は子供の頃からの怖がりなのですが、一人で歩く時に山の先輩から聞いた怖い話を想い出して辛い思いをすることがあります。
怖がりに該当しない方は、読んで笑い話になれば私も書いた甲斐がありますし、逆に改善策を教えてもらえたら私も嬉しいです。

動物(夜×雨×単独×登山)
妄想ではなく現実の話しからで、熊などは早朝に活動することが多いと聞くので、暗い中を近距離でバッタリ遭遇してしまったら逃げてもらえないんじゃないかと思います。
逃げない場合は対決になってしまうので、遭遇しないように祈りながら歩きます。
実際に動物と遭遇したことはありますが、コウモリがいきなりヘッドライトの先に現れて、私の目の前まで向かってきた時は「うわー!」と叫んだ記憶があります。
(目の前で急上昇して消えました、驚かさないでー!)
また、勢いよく歩いていたら、イノシシ+ウリ坊うじゃうじゃに遭遇して、お母さんイノシシの突進!・・・が来るかと焦ったこと。
(実際は豚のようにブヒッ、ブヒッ!と鳴いて茂みに消えていきました)
ある時、速足で歩いていたら急に横から野ウサギ(?)が飛び出してきてぴょんぴょん、ぴょんぴょんと消えて行ったこと・・・。
想像したらドキッとしませんか?

得体の知れない動物の眼(夜×雨×単独×登山)
動物にはいきなりの遭遇に驚かされる(動物からしたら私が勝手に驚いていて、相手の方が驚いているのかも知れませんね)ことが多いのですが、ビックリして済むのは姿が見えているからで、これから書く内容に比べたら幸せな状況なんです。
怖い状況は、暗い中で2つの光りを見つけた時です。
それによって動物だと認識でき光る眼が樹の上や地面スレスレを動く小動物ならまだ良いのですが、距離があって相手の姿カタチが見えない場合やある程度の身体の大きさ(眼の位置や2つの眼の間から判断)が想像される場合は、胸の高鳴りを覚えてしまいます。

特に怖い思いをしたのはガスのかかった状況で、現実を見る事よりも妄想の暴走を止められません。
ある時、進行方向20mくらい離れた場所の2つの光る眼と目が合ったことに気付きました。
私は立ち止まり“彼”を見ると、“彼”もしばらく私を見ていましたが、ゆっくりと2つの光が向きを変えるように動いて消えました。
頭では鹿だろうと考えていても、得体の知れない何かが待ち伏せをしているという妄想が頭の中を独占し、一気に様々な妄想が湧き上がってきます。
結果的に、夜明けまで怖い思いをしながら歩くことになります。

得体の知れない動物の音(夜×雨×単独×登山)
以前、雨が降ってガスの湧いた中、無人の山小屋脇を通過する際、今から歩く先の屋根部分からドタンバタンと音がします。
少し風はあるので風の影響でめくれたトタン屋根が音をたてているかもしれないですが、ライトを照らしても何も見えません。
(そもそも屋根もガスで見えない)
しかし、ドタンバタンは不規則ですが止みません。
不規則なのがリアルに何か生物がいると感じます。
想像ではヤギ的な動物がトタン屋根に上がったけど、下りることが出来なくなった・・・みたいな。
私が歩いて行ったら”彼”は驚いて私の上に落っこちてくるんではないかと思い、さんざん悩んだ結果、登山口に引き返しました。。。

○○が□□に見えてしまう(夜×雨×単独×登山)
昼間は怖い思いをしないのに夜になると怖くなるのは、視界が狭くなるからです。
特に雨が降っていたら、雨による靄でライトも乱反射してしまい、視界が足元しか見えないような場合もあります。
わずかに光が届く距離にうっすらと自然界のものではない何かが目に入ってきたら・・・
冷静に考えたら動物は眼が光るし、人間がヘッデンも点けずに突っ立っているわけがないです。

・・・と分かっていても、・・・と分かっているからこそ「常識を超えたモノがいる」と妄想してしまうわけです。
以前、北アルプスの登山道を夜中に歩いていて、前方20mほどのところに2本足で立っている生物がいました。
「これはヤバい!熊?人間?」前述のように、熊ならジッと様子を見て、人間なら・・・ヘッデンも点けずに・・・「ギャー!想像しただけで恐ろしい」
時間的には数分でしょうけど、感覚的には数十分もジッと待っていたでしょうか。
夜明けはまだまだなので、恐る恐る近づいてみると「○○岳← →□□小屋」という標識でした。。。
「貴重な時間を返せー!」

振り返れない・立ち止まれない(夜×雨×単独×登山)
1人真っ暗な山の中を歩いていると、頭では分かっていても以下のように妄想をして、振り返れない、立ち止まれないことがあります。
よくあるのが、後ろから「ザッッ!ザッッ!」と足音が聞こえてきます。
自分の足音が反響しているのだと分かっていても、振り返るのが怖くなり先を急ぐことになります。
常に聞こえているわけではなく、地理的そして路面状況によって音が変わるので慣れないんです。

また、同じような時に、自分の少し後ろからヘッドライトを照らしている人がいて、ぴったりと付いて歩いてきます。
特に雨天やガスっている時は、乱反射してそう見えるのですが、これも怖くて後ろを振り返ることも立ち止まることも出来ません。
それから昼でも焦ることがありますが、その何かの気配は真後ろに近づいてくることがあって、すぐ後ろからチャポーンチャポンと水の音がします。
いつの間に真後ろに付(憑)かれたんだと焦るのですが、これはザックの中のペットボトル等の水筒の水が揺れていたのでした。いまだに焦る瞬間です・・・私だけ?

夜×雨は臆病じゃなくても・・・
臆病話を長々と書きました、テントや避難小屋の話しもあるのですが、それは今回の投稿の反響が良ければということで・・・
夜に雨が降っている時がとにかく視界が一気に無くなるので、本当に妄想との戦いです。
実際に、前回の長距離縦走トレーニングの投稿でも書いたのですが、視界が悪く道迷いの可能性も高く、滑りやすく、足元とルートを確認しながらのペースになるので、スピードも上がりません。
ですので、登山にはかなり悪い条件だと思いますので、計画的に夜間歩行する際は余裕を持って計画してくださいね。

慣れて損はない
ここまで読んで、ちっとも怖いと思わない方(私のように妄想しない、臆病ではない方)も多いと思います。
それでも、夜に山の中を歩くことは安全登山のためにも良い経験だと思います。
いつも、いつも明るいうちに下山するように計画していても、その通りに下山できない時がいつか起こるのではないでしょうか?
山に入る限り、常にその可能性があると思います。
そうなった時にパニックにならないためにも、夜間に歩いてみてはどうでしょうか?

ここまで書くと「ナイトウォーク講習会でもやるんでしょ?」と言われそうですね。
今のところ予定はありません・・・が、私個人はそういった体験ができる講習会をやりたいなと思っています。
もしも、参加したい方がいらっしゃいましたら、お問い合わせください、または、ホームページ管理担当者Muまでご連絡ください。