【山ナース日記】vol.178 「日本山岳医療協議会(JMMC)」2022DiMMリフレッシュ講習会終了

山ナース

日時 2022年11月5日㈯~6日㈰
場所 富山県立山 国立登山研修所

DiMM(Diploma in Mountain Medicine)は国際的な山岳医療救助カリキュラムで、そのカリキュラムに合格し認定された医師&看護師が、日本では通称:国際山岳医・国際山岳看護師と呼ばれています。
日本でDiMMの養成・検定・認定を行っているのが「日本登山医学会」です。

しかし、DiMM取得後は所属する団体もなく、それぞれ個人で活動していました。
昨今では、多方面で活躍する国際山岳医や国際山岳看護師が増えてきて、徐々にその存在が知られるようになりつつありますが、まだまだ社会的認知度は薄いと言わざる負えません。
その要因の一つとして、社会的に活躍する現場がなかなかありませんでした。
そこでDiMM取得者が自分たちでそれぞれの山域で山岳診療所や山岳医療パトロールなどの活動の場を作り、仲間を募って活動し始めました。

そして、その活動の場にDiMMを取得した医師・看護師がどんどん参加できるようなれば、せっかく苦労して取得した認定を活かすこともでき、また、5年毎に必要な資格更新のためのポイントも取得できるので、同志を失うことなく社会的にも貢献につながるのではないかと考えました。
ちなみにDiMM取得しても更新制度があるため、5年で50ポイント取得しなければ、DiMM認定を更新することは出来ません。

また、DiMMは取得してから、ブラッシュアップする機会が少ないため、知識・技術の維持および向上のための講習会の場作りも望まれていました。
さらに、いままで山に精通した医師・看護師の必要性が出た場合も、問い合わせ先もなく、活動に機会のネックとなっていて、その窓口の必要性も取りざたされていました。

2022年4月現在で、国際山岳医は47人、国際山岳看護師は24名です。
より多くの認定者が活動できる土台づくりのために、DiMM金澤英紀医師、DiMM住本洋之医師とともに、「日本山岳医療協議会(JMMC)」をこのたび設立いたしました。

【山岳医療協議会(JMMC)の設立】
大きな3つの柱
①活動促進のための情報発信
②スキル維持向上のための講習会の開催
③ご用命の窓口(マッチング)*あっせんや派遣などの業ではありません。

【2022DiMMリフレッシュ講習会】
それぞれの活動報告をして情報を共有し交流することで、より安全に、より活発に、活動すること、
そして自分たちの知識や技術に磨きをかけることを目的として、JMMCで初めての事業となるDiMMリフレッシュ講習会を開催しました。
以下、講習会の模様は写真をご覧ください。


↑会場はDiMM取得者にはおなじみの国立登山研修所です。

<1日目> DiMM活動報告会 参加者12名

↑伯耆大山山岳医療パトロールの活動報告(住本医師)


↑赤岳鉱泉山岳診療所の活動報告(市川医師)


↑山岳看護師(山ナースガイド)の活動報告(小林看護師)


↑UIAA Medcom、Air Zermatt MEM、ICAR報告(金澤医師)

その他に、北杜市山岳医療パトロール(稲田真医師)、畳平診療所(草鹿医師)の報告もありました。
金澤先生の発表でヨーロッパの現状を知り、日本DiMMも頑張らないと!と改めて思いました。

<2日目> 山岳レスキュー技術講習会 参加者10名
講習目的:DiMM取得後の登山技術・山岳救助技術のアップデート
講師:日本山岳レスキュー協会の講師、島田和昭ガイド、小林亘ガイド


↑参加証明書の発行
2日間参加で4ポイントゲット、活動報告者はプラス2ポイント

紅葉盛りの立山で、とても良いリフレッシュと交流となりました。
今回は参加者少なめでしたが、次回はより多くのDiMM取得者と交流および研鑽したいと思います。

DiMMの取得は終わりではなくスタートです。
取得後の道筋もでき、これから取得を目指す人にとっても励みになると思います。
これからの国際山岳医・国際山岳看護師の活躍が楽しみですね。