【山ナース日記】vol.159 GW赤岳鉱泉山岳診療所活動

山ナース

日時 2022年4月29日~5月3日
場所 赤岳鉱泉山岳診療所

2022のGW、皆さまどのように過ごされたのでしょうか。
私は、GW初日(4/29)に八ヶ岳の登山口の1つである美濃戸口にて、長野県警茅野署の山岳遭難救助隊の諏訪地区遭対協の方々による安全登山補導活動に一緒に参加してきました。
この時にお声がけしたご高齢の方が、計画通りに赤岳鉱泉に宿泊してから、身体が心配で診療所に相談・受診しに来てくれました。
このような地道な活動が安全登山や事故防止につながっていると改めて感じました。

入山時は、赤岳鉱泉周辺には残雪があるものの
ずいぶん溶けたので、小屋番さん達が診療所入り口で小屋の玄関に設置されていた「雪囲い」を解体していました。
診療所内からも登山者の方々が良く見えて、異常に早く気付くことができますので雪解けはありがたいです。

赤岳鉱泉では、GWから入浴ができます。
こんな山の中で、お風呂に入れるのは本当にありがたいですね。
宿泊者は無料で入れますが、テント泊や日帰り登山者も1,000円で入浴できるそうですよ。
もちろん診療所活動に入るドクターやナースも毎日入れます。

今年1月に足を骨折して診療所で対応し方が、その後に手術をして順調に回復し、再び山に登れるようになったとのことで
わざわざ診療所にお礼をしに訪問してくれました。

元気にまた山に戻ってきてくれて、とても嬉しかったです。
(マンガ「岳」の三歩さんの気持ちでしょうか)

5/1は、降雪がありました。
この時期の降積雪にびっくりする方も多いかと思いますが、八ヶ岳ではGWでも雪が降り、冬に逆戻りします。
北・中央・南アルプスなどの標高の高い山では、まだまだ降雪や氷点下になりますので、この時期はウエアや装備の選択や多さに苦労します。
しかし、ウエアや装備は命を守るためにあるので、何を置いていくかは慎重に判断してくださいね。

GW前半では、心臓突然死につながる症例も発生しています。
この時期は寒暖の差が大きく、身体への負担も大きいと思います。
体がオーバーヒートしないような、ゆとりを持った登山計画を立てること、こまめな水分摂取などに心がけましょう。
もちろん歩行中も暑さ寒さを考えながらです。

赤岳鉱泉山岳診療所は、4/29~5/8まで10日間診療所活動を行います。
登山に際して心配なことなどありましたら、ケガや病気になっていなくても気軽にご相談にいらしてくださいね。

夏季活動は、7月~10月の週末祝日、長期休みに診療所をオープンいたします。
まだまだ山は春山ですので、寒暖の差が激しく降雪も有り得るということを意識して、皆さまご安全に山を楽しんでくださいね。