【山遊び♪レポ】転落!濁流!危機一髪!? ~小常木谷~

山ナース

時期:2022年6月
報告:ホームページ管理人Mu

こんにちは!ホームページ管理担当者のMuです。
山行当日は、昼前後から雨予報なので「梅雨のシトシト雨なら少し増水するくらいだし、沢登りなら元々身体は濡れる覚悟なので沢に行きましょう。」(まだ梅雨明け前の報告になります。)
とKOさんと打ち合わせして、昨年からチャンスがあれば行こうと計画していた小常木谷に行くことにしました。

比較的、水量豊富な沢だと思います。。。
昨年、小常木谷の尾根の向こう側にある大常木谷・竜喰谷に沢登りした時は、水量が多くて水の苦手な私にはハラハラ・ドキドキの連続だったと思い出して、行く前から胸が高鳴っていました。
その時の投稿はこちらをクリックしてご覧ください。

入渓までの渡渉でスクラム!?
小常木谷に入渓するためにガイド本では、多摩川の源流となる一ノ瀬川を渡渉するとなっています。
「水量が多い場合にはスクラムを組んで・・・」と書いてあるのですが、偵察をすると「スクラムでも渡渉は無理!」
と思えるほどの流れなので、小常木谷の沢登り後に下りてくるルートとなる登山道で一ノ瀬川の小常木谷側へと下りました。

下の写真の右下側が小常木谷側、真上から左下へと流れるのが一ノ瀬川ですが、一ノ瀬川はかなり深く流れもあるので無理をして渡渉しなくても良いかと思います。

緊張感UP
いきなり深いゴルジュ(沢や渓谷の両側の壁が細く狭まった場所)となり、水量も多いので沢のザーザー音が騒がしいにもかかわらず、緊張で心拍音が聞こえてきます。
ただ、火打石谷と別れるまでは、テーマパークの入場門を通るかのようにキレイなゴルジュというだけで、何事もないのでご安心ください。

楽しいへつり
火打石谷と別れた後もしばらくは高い滝を登ることもほとんどないです。

代わりに深い釜をへつる箇所がいくつかあって、天気も曇りで更に谷の中にいては薄暗くて底の見えない(=深さが分からない)釜に落ちたらと思うと恐ろしくて、必死で壁にしがみついてへつりました。

恐る恐る足を前に出したり、足掛かりを求めて思い切って反対にジャンプしたりと、(落ちてもずぶ濡れになるだけの)楽しい緊張感です♬

置草履の悪場
最初の1時間ちょっとは、そんな感じでスタスタと進めて楽しいのですが、いよいよ核心部の「置草履の悪場」になります。
(今でもいらっしゃいますが、)昔の沢登りはワラジを履いて登っていたので、草履を置いていくくらい悪い(置いていったら先に進めないですが・・・)
ともかく通過するのに苦労した場所ってことだと思います。

一気にスピードダウン!
まず、兆子の滝10mはロープを結んでKOさんにリードをお願いします。
KOさんスムーズに登っていきますが、最後に上に抜ける手前で右足を置いていた岩が落っこちる!

KOさんの身体がスローモーションで落ち始めて・・・見ていた私が「うわー!」と叫んだ・・・か覚えていない。
が、KOさんガッチリと木に掴まっていて留まったので、私が焦っただけで済みました。
続いて「逆くの字の滝8m」は、フリーで登れたためあまり覚えていないので、他の方の記録を見てみたら、今回の水量が多くて驚きました(;^ω^)。

その次の「不動滝15m」は登れないと諦めて左岸から巻きますが、最初に早とちりをして右岸を高巻いてしまい行き詰まりそうで危ないので、懸垂下降で一度下りて左岸から巻きました。

この辺りの高巻きはチョット悪いです。
それから2段20mの大滝は、2人して水を被りながらの登攀。

まず私が水を被っているので呼吸を意識しながら(意識しないと呼吸が上手くできなくなりそうで(-_-;))リードで登るも、途中で敗退してKOさんにバトンタッチ!
KOさんが無事にクリアして、いよいよ核心「置草履の悪場」を突破するネジレの滝2段20m。

最初からKOさんにリードをお願いするも、ツルツルの岩にKOさんも足がツルリツルリと滑って苦労する。
何とか1段目を突破するも「2段目は無理して登らずに高巻こう」となって左岸から高巻く。

気が付けば午後でゴロゴロ!
核心部を抜けてやっと一息付けたので時間を確認すると午後1時を過ぎていたので、この辺で沢から脱出することにして、靴を履き替えていると「ゴロゴロゴロゴロ~」と嫌な雷鳴が聞こえてきました。
沢から脱出して登っている尾根は樹林帯なので、最初のうちは私たちを雨水から守ってくれたが、そのうちに葉っぱが蓄えきれなかった水が大量に落ちてくる。
久し振りの「土砂降り」、「バケツをひっくり返した」ような雨で、下山道も水浸しになり履き替えたアプローチシューズもびっしょりとなりました。

小常木谷は濁流と化す!
1時間弱で登山道に出て、さらに1時間以上かけて下降すると小常木谷は茶色い濁流となりゴウゴウと唸りながら流れていた。

沢の増水の早さは先輩から聞いたり、本で読んだりしていたが、この目で見て体験するのは初めて。
沢を脱出してから増水までは時間的な余裕はありましたが、置草履の悪場を抜けるのが、もう少し遅かったら大変なことになっていたかも知れないと思います。
天気予報で雨が降るとは分かっていましたが、雷が鳴って大雨となるとは予報されてなかったので、想定外となりましたが無事に下山でき、濁流と化した様子を目の当たりにすることが出来て良い経験となりました。