山ナース日記~Vol.21 富士山吉田口五合目救護所2019スタート~

山ナース

<富士山吉田口五合目救護所>
夏山開所期間:2019年7月1日~9月11日まで
救護所場所:富士山吉田口五合目総合管理センター内

いよいよ山梨県側富士山が山開き(7/1)をしました。
そして私は今年も五合目救護所に勤務させていただいております。
しかし今年は例年とは違い、
山頂直下石積み崩落部の復旧工事のため7/8まで山頂への登頂が出来ない影響で、
登山者の少ないスタートとなりました。

    
日本人の登山者は少ないですが、予定の決まっている海外からの登山者はどんどん登っていきます。

 

  
富士山保全協力金は、臨時仮設トイレの設置や
今回の山頂直下石積み崩落復旧工事に使われますが、
五合目救護所も協力金で賄われています。
傷病者が無料で救護所を利用できるのは皆様からの協力金のおかげです。
日本の夏山シーズンの山岳診療所は大学の医学部が主に運営をしていて、保険診療(有料)を行っていたり無料診療を行っていますが、どこも運営資金については苦労(赤字)している状態です。
いわば各大学の社会貢献に頼らざるお得ないのが、今の日本の山岳領域における医療の現状なのです。

 

            
富士登山の証「金剛杖」
各山小屋がオリジナルの焼印(焼きゴテを金剛杖に焼いてくれる)をしてくれます。
いわば富士登山スタンプラリー
富士山はオリジナリティあふれる焼き印の宝庫で、コレクションするには最適です。
登山をしながら焼き印収集を楽しみ、登頂できた時の達成感や満足感はそれは最高なのでしょう。

    
そんな苦楽を共にした金剛杖を記念に自国に持って帰りたい外国人登山者は少なくありません。
スーツケースに入るサイズに二つに切ってもらったり、前後を切って焼き印の部分だけ持ち帰る人など様々です。
日本が誇る世界遺産富士山の楽しい登山の思い出と共に持ち帰ってもらうことは日本人としてうれしいことです。

しかし、富士山に限らず無理・無謀・無知な登山は禁物です。
下山途中で疲れて足も痛くて歩けないという外国人登山者からの通報が1日に何件もあるのも事実です。
自らの意志で登ったのですから、怪我や病気でない限り自分の足で降りてきましょう。