【山ナース日記】vol.61「寒波到来:冬季山岳医療活動報告その2」

山ナース

大寒波の到来で豪雪地帯は数年ぶりの豪雪に見舞われ、災害レベルとなってしまいましたが、
この本格的な冬の到来時に、私にとって今季2回目の赤岳鉱泉冬季山岳医療ボランティアに赴いてきました。

北沢登山道を歩いているだけで、寒さで髪の毛も凍ります。
女性で気を付けてほしいのが髪の毛に雪が付いて玉になり、
それが感覚が鈍った顔のお肌について凍傷になってしまうことです。
顔は新陳代謝が良いので比較的よく治りますが、山女でもお肌は大切にしたいものです。

先週、赤岳鉱泉上部の沢でアイスクライミング中の滑落事故が発生し、ベテランの山岳医が対応したという報告を聞き、
今回は早朝に出発し、任務に就く前にジョウゴ沢に偵察に行ってきました。

 

話の通り、今年は雪がまだ少なく氷瀑が雪で埋もれていないので氷壁の高さは十分ありますが、ジョウゴ沢の発達はまだもう少しといった感じでした。
ということは、登攀ルートが限られたり岩も露出しているので一つ間違えば命とりです。
先週の滑落事故も信じられませんがノーザイルだったそうです。
過信こそ山での最大の敵です。大自然に対して謙虚な心こそが安全の第一歩だと思います。

赤岳鉱泉では、軽食のメニューが増えて、ラーメン3種類、パスタ3種類、カレー5種類その他にも丼物や1品物など、ランチをどれにしようか悩んでしまいます。
今季はまだ数回赴く予定ですので、毎回豪華な宿の食事と軽食が楽しみです。

赤岳鉱泉の冬の名物アイスキャンディが一部エリアで開始となり、
皆さん早速アイスクライミングを楽しんでいました。


あとから、裏同心ルンゼで危ないシーンを見かけたと山仲間から報告を聞きました。
八ヶ岳はアプローチの良さと、小屋などの設備が整っていることから、装備や技術が乏しいまま安易に入られる方が少なくありません。
何も起こらなかったことが当然ではなく、たまたま何も起こらなかったのかもしれません。
寒さと強風により、低体温症や凍傷事例が毎年出ていますので、いわば冷凍庫の中で強風をうけるようなものなので、皆さん十分にお気をつけてください。

 

今年はたっぷりの雪が期待できますので、雪山登山は敷居が高いと感じている方にはスノーシュハイクがオススメです。
スノーシューでの雪歩きを楽しみながら、歩いてしか行けない秘湯の宿に行く、日光澤スノーシューハイクが1/30㈯-31㈰の日程のガイドプランがまだ定員に余裕がありますので、是非ご興味のある方は参加をご検討ください。
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