【山遊び♪レポ】小窓北部が本当のバリエーション! ~剱岳 北方稜線(池の平山から)~

山ナース

時期:2021年7月
報告:ホームページ管理担当Mu

こんにちは!ホームページ管理担当のMuです。
全国的に梅雨明けしたので剱岳北方稜線(破線ルート)をテント泊で歩いてきました。
(下に貼り付けた山と高原地図の右下の黒部ダムから真ん中上の池の平小屋で宿泊し、左上の剱岳に登頂して左下の室堂バスターミナルへと歩きます)

1日目:黒部ダム→池の平小屋
電気バスを降りたほとんどの登山客、観光客が黒部ダム方面に歩いていく中、旧日電歩道方面にトンネルを進む人たちは「“くせ者”揃いだね(自分たちを除いて)」とパートナーのKOさんと談笑します。

黒部ダムの堰堤の高さ分を下りてから黒部川沿いを歩き出すと、川幅は狭まり支流が流れ落ちる様相が“下の廊下”風となり、これからの大冒険に胸がドキドキします。

しかし、梅雨明けした太陽が顔を出すとジリジリと焼けるように暑く感じます。

その上、内蔵助谷出合からは登りとなり汗がダラダラと流れ落ち、テント泊装備を背負った我々の体力を奪っていきます。
登りよりも暑さとの戦いとなりましたが、ハシゴ谷乗越に到着すると眼下には剱沢の大雪渓、そこからノコギリのような八ツ峰、ドンと源次郎尾根が剱岳本峰へと伸びており、その間にも大雪渓が流れている。
「岩と雪の殿堂」と言われる景色に一瞬だけ疲れを忘れます。
今日の宿泊地「池の平小屋」に着くと同時に、にわか雨となりギリギリセーフ!

2日目:池の平小屋→池の平山→(北方稜線)→小窓のコル→池の平小屋
2日目は一気に剱岳を越え、あわよくば室堂バスターミナルに到着し帰宅しようと思っていましたが、ちょっと大回りして池の平山から北方稜線破線ルートのコンプリートを目指すことに。

ところがこれが大誤算!池の平山からの稜線はハイマツを主とした藪漕ぎとなりました。
ちょうど開花の時期と重なりハイマツの黄色い花粉まみれとなり、辛い藪漕ぎを避けようと斜面に逃げれば急な草付きか微妙な岩場の連続、何とかルートを探しながらコースタイムの3倍近く(3時間ほど)かかって小窓のコルに到着・・・。
午後には雷雨予報のため、今日の剱岳越えは諦めて一度池の平小屋に戻りました。


池の平山と小窓のコル間は山と高原地図には1時間10分とありますが「無雪期にその時間で通過出来るの?」と疑うようなルートです。
正直言って破線も消してしまった方が事故を防げるのではないかと思いました。
小窓のコルから池の平山の「一般者不向き」と剱岳から小窓のコルまでの「一般登山者通行困難」という表記、どちらが厳しいルートと感じるでしょうか、私は「通行困難」が強く感じます。

3日目:池の平小屋→小窓のコル→池ノ谷乗越→剱岳→室堂バスターミナル
2日目の午後に、裏剱(一般的な室堂や立山側に対して「裏剱」と言います)の景色を眺めながらKOさんと残りの食料を3日目の行動食だけを残して食べ尽くしながら休養したので、帰る気満々で3日目をスタート!

小窓雪渓を登りだすと背後には双耳峰の鹿島槍ヶ岳が美しい。

雪渓を吹き降ろしてくる風が気持ち良い。

小窓のコルでハーネスを装着し、ピンクテープが過剰な感じのルートを進みます。

急斜面の雪渓を横断する箇所だけロープで確保して通過しました。

思ったほどの角度はないですが、万が一滑り落ちたらタダでは済まない場所なのは間違いありません。

その先は小窓王(大きな岩)

発射台(ガレた下り)、池ノ谷ガリー(ガレた登り)

を通過すると、いよいよ剱岳を望みながらの岩稜帯となります。
テント泊装備なので岩場ではバランスを取る必要もありますし、大きめのザックが岩に当たって自分が滑落しないようにも気を付けないといけないため、体力の消耗が少なくなった代わりに集中力を必要とします。

ただ、この岩稜帯歩きは素晴らしい眺めで、快晴で日射しは強くても爽やかな風が吹いており、剱岳を目前にクライマックスがやってきた感じです。


裏剱KOさんは次にどこをクライミングしたいと考えているのだろうと思いながら登っていくと、多くの登山者で賑わう剱岳山頂へ到着しました。

無駄な事は1つもないです。
今回、山と高原地図の「一般者不向き」「一般登山者通行困難」という表記について触れましたが、そういった危ないルートは登らないという方も、ハイキングや登山、または今流行りのキャンプでさえ楽しく安全に過ごすには多くの知識と技術を知り、経験することが大切だと思います。

アウトドアでは、いきなり1人で始めること自体が危なかったり、独学では間違ったことを覚えてしまったりしますよね。
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