【山遊び♪レポ】スポルティバの新しい靴エクイリビウムで鳳凰三山、剱岳北方稜線を歩いてみた ~AEQUILIBRIUM LT GTX®~

山ナース

時期:2021年8月
報告:ホームページ管理担当Mu

こんにちは!ホームページ管理担当のMuです。
今年のGWの投稿を読んだ方は覚えているでしょうか、私がカモシカスポーツに行くとスポルティバの新商品がディスプレイされていて私はとても気になっていたのでした(その投稿はコチラをクリック)。
今回、その新商品を入手して山行(鳳凰三山テント泊、剱岳北方稜線テント泊)に履いてみたので、その感想を投稿します。

まずは靴の紹介
タイトルにも書いた「エクイリビウム(おそらくラテン語)」という日本人には言いにくい名前です。

特徴は、スポルティバのホームページによると『マウンテンブーツに求められるあらゆる機能を‟等しく‟(Equilibrium)”高めた今までに無い革新的なモデル。独自なデザインのダブルヒールはスムースな足運びをフォローしながら接地時の安定感とグリップ力確保と下りでのブレーキ性能のアップ、エルゴノミックシェイプと3DフレックスシステムEVOは足全体に吸い付くようなフィット感と足の動きにストレスなく追従しながら適切なサポート力をキープ。』と、説明文の後半になるに従って疾走感(?)が出て内容に付いていけなくなってきませんか。

ダブルヒール!?
順番に特徴について私の感想で説明すると、ヒール(かかと)の角が斜めにカット(上の写真を参照ください)してあることで、靴底の固い重登山靴やスキー靴のようにドカドカとロボットのように歩かなくても良くなっています。
また、『足全体に吸い付くようなフィット感』というのは、私の感想としては吸い付くというよりは、親指や小指、またはかかとのように一部分が当たる事がなく足全体が包み込まれているように感じました。
最初は、その感覚が今までのカチッとした登山靴に比べて余りにもマイルドなので、柔らかいハイキングシューズでも履いている感覚で「これで北方稜線のようなバリエーションルートに行っても大丈夫なのか?」と心配もしました。

一番重要な「滑らず・止まる」はどうか。
鳳凰三山の登山道には、岩場やガレた部分がありますが、岩場では大きな靴底のブロックが岩に合わせて変形、追従してグリップする感覚がありました。この大きなブロックは全部がゴムでなく、柔らかい素材が中に入っているので路面に追従するというのも納得です。
ガレの下りではかかとのブロックが地面に突き刺さるようにグリップしました。
ただ鳳凰三山を歩いている時は、「履いていて疲れない靴だな」とは思いましたが、グリップが良くなったと明確には感じませんでした。

剱岳北方稜線では、バリエーションルートな上に一般的な北方稜線のルートよりも大回りをした(その投稿はコチラをクリック)ので、性能を実感することになりました。
特に草付きやガレのトラバースでは、かかとのブロックがしっかりと地面に食い付いている感覚があり、少し歩幅を大きくするような大胆な足運びをしても安心感がありました。

荒れた路面になればなるほど、グリップ力に違いを感じることができ、北方稜線では「これは良い!」と思えるようになりました。
ただ、注意が必要なのは濡れた岩や木の根では、普通の登山靴と同じように一瞬で滑り、止められないので、足の置き方に気を付けるのは他の登山靴と一緒です。

目立ちますネ
私は、鳳凰三山でデビューさせました。
小林美智子ガイドにいきなり「(黄色が大きく見えることから)ドナルドダックみたいだね~」と言われましたが、それ以外は登山者が比較的少ない上にトレランの方の割合が高いためか、特に声をかけられる事はありませんでした。(スポルティバのホームページ写真、黄色+赤色が男性用、水色が女性用)

それが剱岳では、すれ違う方が履いていたり、テント場で「見せてもらえますか」「グリップどうですか」と質問されたり、と発売間近な割に皆さん注目しているんだなと感じました。

まとめ(Muの感想)
まず、性能は間違いなく良いと感じました。
特に足全体を包み込むホールド感は、登山をしていて足の一部が当たって痛い思いをしている方(私は下りでは右足の小指、登りでは両足のかかとが当たって痛いのです)には大きなメリットです。
また、グリップが良いのは安全登山に大いに役立ちます。が、過信して攻めすぎないようにしてくださいね。

ただし、私の購入したアッパーがレザーのバージョンは税別48,000円、ナイロンバージョン(下の写真)でも税別43,000円です。

私は普段、同じスポルティバのトランゴ キューブ(税別49,000円、下の写真)を履いていますので、この金額でも納得できます。

ホールド感とグリップ力にそれだけの価値があると考える方には購入をオススメします。
登山ルートとしては、一般登山道よりもバリエーションルートをやる方にはメリットが大きくなるのではないでしょうか。
また、初心者が履くのも良いと思いますが、靴以外の装備が不足している場合には、まずはそちらを購入することをオススメします。