【山ナース日記】vol.215 「富士山吉田口救護所:8月」

山ナース

2023年の私の富士山救護所活動が終了しました。
活動期間中、大きな事故もなく本当に良かったです。

しかし、過信や無知から発生する救助要請は後を絶たず、
「飲み水がなくなったから救助してほしい」「バスに間に合わないから迎えに来てほしい」などなど
ケガや病気の発生以外にも、他の山域では考えられないような救助要請の連絡が、救護所が在る総合管理センターに入ります。

8月に入ってすぐ、8/2の五合目からの満月(スタージョンムーン)で心癒されました。

富士山では8月に入り、吉田ルートの1ルートに4000~5000人の登山者が登るようになってきました。
そしてスバルライン五合目を訪れる観光客も増え、人であふれかえりました。
足元が見えず段差で転倒してケガをする人までいました。

五合目救護所は、登山者の救護のみならず、スバルライン五合目を訪れる観光客の救護も担っていますので、神社で怪我人発生やお土産屋さんで倒れる人などが発生し、毎日五合目を走り回っていました。

勤務前に小御岳神社に安全登山を祈願して参拝
もうこうなると神頼みです。

五合目救護所に勤務して6年目になりますが、コロナ禍以前から比べても救助要請や救急搬送は増えているように思えます。
2023年夏の全13日間で約40人ほどの傷病者対応をさせていただきました。
五合目救護所は基本看護師一人体制なので、今年の富士山では実力が試されるとともに、山岳看護師としての更なる良い経験を積むことができました。