【山ナース日記】vol. 115山のキャンプ事情「赤岳鉱泉山岳診療所活動9月」終了

山ナース

日時 2021年9月25日㈯~26日㈰
場所 南八ヶ岳 赤岳鉱泉

だんだん秋が深まってきましたが、9月も南八ヶ岳にある赤岳鉱泉山岳診療所で活動してきました。
前回8月に入った時から5週間経過しましたが、空気はすっかり秋の気配です。

赤岳鉱泉山岳診療所は日本で初めての通年を通した山岳診療所になりますので、
そろそろ診療所も冬に向けた準備を始めなければなりません。
 

心優しい方から、診療所に駐在する医療者が寒くないようにと椅子用の座布団と
傷病者用に病院でも使われている湯たんぽを寄贈していただきました。
当診療所は大学などの後ろ盾がないので、このような寄贈は大変ありがたいです。
(山岳診療所多くは大学等と連携し、その大学に勤務するあるいは大学出身者等で山好きの医師や看護師、そして医学生等が運営にあたっています。)
心より感謝申し上げます。
 

コロナ下で世の中は大きく変わりましたが、
山のスタイルも様変わりし、下界のキャンプブームが反映され、山のテント場は大賑わいです。
しかし困ったことも多く発生していて、山岳地帯だという認識の薄さやマナーの悪さに山関係者は困っています。

山ならどこにでもキャンプしていいわけではありません。キャンプ指定地にしかテントは立てられません。
そして山ならタダ(無料)というわけではありませんので、きちんとテント泊代は管理しているところに収めてください。
直火の焚火をする人や大音量で音楽を流す人、遅くまで騒いでいる人など困ったさんもいるようです。
 

山のテント場は、オートキャンプ場ではありませんでの、シャワーやAC電源の設置などはありません。
山小屋はテント場を管理はしていますが、何でもかんでも小屋が貸してくれるわけではなく
そもそも基本的に山のキャンプは、衣食住を背負い自己完結するのがスタイルなのです。

そして、山岳地帯のキャンプ場は、登山者が宿泊をするためのテントを張るスペースです。
登山することをベースにしているので、夜が明けきらぬ内に出発する人もいますので
日暮れと共に就寝する人もいらっしゃいます。
次の日に安全に登山を続けるために20時くらいには静かにしてしていただきたいところです。

 

赤岳鉱泉山岳診療所がある南八ヶ岳は、だんだん色づいてきて秋の深まりを体で感じられるとてもよい季節となりました。
山の楽しみは皆さんそれぞれですが、自然にも自分にも他人にも優しく、山を楽しんでいただきたいと思います。