【山遊び♪レポ】6月の北アルプスは残雪に注意! 〜天気が良くても関係ない〜

山ナース

投稿時期:2023年6月
投稿者:ホームページ管理人Mu

こんにちは!ホームページ管理担当者のMuです。
前回の投稿では梅雨の晴れ間に、立山黒部アルペンルートの扇沢から爺ヶ岳まで登りました。
私の写真技術とカメラの性能は大したものではありませんが、素晴らしい景色じゃないですか?
いや~、晴れ男ですね~♬
まだ、ご覧になっていない方は↓の投稿をご覧ください。(クリックすると移動します)
【山遊び♪レポ】梅雨の晴れ間に北アルプス ~後立山連峰 爺ヶ岳~ – 小林美智子山岳看護師事務所(山ナースガイドオフィス)

残雪のある時期は、いつもより危険もいっぱい!
春になって暖かくなると雪が融け始めます。
融け始めてから完全に融けるまでの残雪がある山への登山は、全面に雪がある場合や全くない場合と比べて難しいことがあります。
徒然なるままに、思い付くままに書いてしまうと・・・
この時期は1日中氷点下ということではないので、雪の状態は、朝はカチカチ、昼はグズグズ、場合によってはズボズボです。
そして、積雪量が多く日の当たりにくい谷・沢部分に残っている事が多く、そこ(雪渓と言います)を横断する登山道(主には登山口から稜線までのルート途中)では、そこの通過にアイゼン・ピッケルを使用しなければ横断できない、滑落すれば一気に急斜面を落ちるのは冬季と変わりません。
☟の写真で、右奥のとんがっている槍ヶ岳の手前の山の斜面に白い筋がありますが、そこを横断する場合です。

道迷いの危険も
また、残雪で登山道が隠れてしまい道迷いをしてしまうこともあります。
特になだらかで広い稜線・尾根の場合は、隠れた登山道の出口を探すのは至難の業で、5mや10m先なら容易でも、残雪が多いと細い登山道は、どこに行ったか分からず焦る事でしょう。
☟この先、登山道はいずこへ・・・

また、登山道が隠されるということは、雪が無ければジグザグに登っていた急な斜面は、急な雪斜面や雪壁となって立ちふさがるのです。

先ほど書いた雪渓のトラバースや雪の急斜面・雪壁を通過することを想像してみてください。
私はビビりながら歩く事が多いです(>_<)

夏の登山道とは全く違う
早朝でカチカチの場合は、アイスクライミングのような緊張感を突然に体験することになり、温かくグズグズとなった雪の場合は、足元が崩れそうで安定せず滑り落ちそうで、これまた一歩一歩を踏み出すのが(私の場合は)緊張の連続となるのです。
☟緊張のトラバースが長く続くことも多いです。

少し話しを戻して、なだらかな広い尾根ではなく細い尾根(当然、両側は急斜面)なら道迷いしないのですが、尾根の頂点が藪に覆われて登山道は尾根のわずか数メートル下にあるとしても残雪が行く手を塞ぎ、雪の上に登るか、下のズルズルの土斜面を慎重にトラバースするかの決断に迫られることが多いです。
☟これは、雪の上に登ってしまえば楽♬(それにしてもウソのような青空)

☟これは登れないので、土の上をトラバース・・・コワッ!

アイゼンとピッケルが必要ということ
そして、登っている間にずっと雪がある訳ではないというのが、また難しくさせていて。
アイゼンとピッケルを持たない人がいます。
最近でも装備不足により行動不能(怖くて動けなくなり救助依頼)となる場合を報道で耳にします。
また、道具を持っていても「ほんのチョットの距離だから」「脱着を繰り返すのが」面倒だからと使わない人もいます。

体力も必要
それから、アイゼンとピッケルを使えば大丈夫かと言うと、雪のある区間と無い区間を断続的に歩くのには岩や樹に引っ掛けないように気を使って歩く必要もあり結構大変です。
また、持たない人の事を書きましたが、そもそも一般的なアイゼンとピッケルだと合計重量は1kg~1.5kgあるので、体力的にも負担になりますよね。
☟最近は軽いアイゼン・ピッケルもありますが、機能がしっかりしたものを選びましょう。

そして、雪にズボズボと足が埋まる残雪となると、これを踏み抜き地獄と言いますが体力的には相当にハードな上に、下り斜面を勢いよく進んでいる時に、急に膝まで埋まって怪我をする場合もあるので注意が必要です。

怖い事ばかり思い付くままに書いてしまいましたが、しっかりとした雪上登山技術があれば大丈夫です・・・
大丈夫です、と書きましたが、実はそうでもないのです。その理由ですが、雪は遅かれ早かれ消えるものです。
それで、あなたが踏んだ瞬間に壊れるかも知れません。
街中のビルの階段や道路と違って、登山道もいつ崩壊するかは分かりませんが、残雪は中から融けて空洞になり、崩壊するまでのスピードが桁違いに早いのです。
なので、細心の注意を払って残雪期の美しい山を見に行きましょう。

今回の投稿は、ここまでです。
次回は、爺ヶ岳から針ノ木岳へと進み下山します(たぶん^^;)。
素晴らしい景色をお楽しみに~♬