【山ナース日記】vol.212 「2023夏の赤岳鉱泉山岳診療所」活動報告

山ナース

日時 2023年8月12日㈯~13日㈰
場所 南八ヶ岳 赤岳鉱泉山岳診療所

赤岳鉱泉山岳診療所の2023年の夏季活動は、7~10月までの土日祭日となっています。
活動者はワークショップ参加者を中心に公募していますが、本当にありがたいことに応募多数で嬉しい悲鳴です。

私自身も5月以来の赤岳鉱泉への入山となり、お盆の時期とも重なって、なんだか実家に帰る心境(ただいま~)になってしまいました。
いつもと変わらずに、小屋番さん達が快く迎えてくれました。

私が実家(!?)への手土産として持参したうどん15人前で作っていただいた、冷やしうどん(写真は残念ながらありません)の賄いランチを食べていたところ・・・
長野県警茅野署山岳遭難救助隊と諏訪地区遭対協、そして諏訪地区広域本部消防の特別救助隊が診療所に来て、「下腿骨折疑いの傷病者が発生している」とのことで、救助サポート(医療資材の補充、応急処置、背負い搬送時サポート)をするためにエマージェンシーザックを背負って行者小屋処置室に向けて出動しました。

行者小屋営業期間にだけ使用する行者小屋処置室は、行者小屋宿泊者への医療対応と、阿弥陀岳&赤岳周辺での救助サポートを目的に昨年から運用し始めました。

救助方法は背負い搬送を想定していましたが、長野県防災航空隊のヘリが出動してくれることになり、ピックアップするまで登山道の閉鎖と誘導のお手伝いをしました。
ヘリによる救助はスピーディーで傷病者や救助隊への負担の少ないので大変助かりますが、いつでも使えるとは限らないので、やはり事故予防は大事です。

一年ぶりの行者小屋での滞在でしたので、ヘリピックアップ後には緊張感も解けて嬉しくなって、まるで初めて訪れた人のように写真をパチリしてから、赤岳鉱泉の診療所に戻りました。

今回、活動を一緒にしていただいたドクターは、八ヶ岳の麓にある諏訪中央病院の皮膚科医長の光楽先生です。
諏訪中央病院は当診療所からの症状者を一番受け入れてくれていただいてると共に、地域医療連携で色々とご協力していただいています。
そして光楽先生は、現在日本での凍傷治療で一番多くの症例治療を行い、凍傷治療の中心的な存在です。

私が行者小屋から赤岳鉱泉山岳診療所に戻ると、診療所内で体調不良の登山者の対応を一人でしてくれていました。
体調不良の方の症状は段々と悪化していました。
その時、先ほどの行者小屋方面での救助で出動していた救助隊の方々が診療所に寄ってくれたので、事情を説明し救助要請をして病院に搬送してもらうことになりました。
今度は長野県警の山岳ヘリ「やまびこ」が出動してくれて、赤岳鉱泉のヘリポートから無事にピックアップしました。

台風7号接近の影響もあり、3連休でしたが土曜日は日帰りやその日のうちに下山する登山者が多く
大忙しの活動1日目となりました。
逆に、日曜日は登山者も少なく(無理をする登山者も比例して少なかったせいか)平和な一日となりました。

ゆっくりと私の大好きな賄いランチ(小屋番:ルバーブおじさん特製のタコライスでした)を食べることができました。
いつも美味しい賄いランチありがとうございまーす♪♪
私の診療所の活動報告が食べ物の報告になっているという、ご指摘(笑)が若干ありますが、
楽しみなのは間違いないので感謝を込めて載せさせていただきます。
(赤岳鉱泉=ステーキと考えている登山者の方も多いと思いますが、ステーキ以外もとーっても美味しいので、ステーキ以外の日は「当たり!」って思ってくださいね)

赤岳鉱泉山岳診療所の利用は、無料となっています。
運営費用は、皆さまからのご寄付で成り立っております。
一般の方から「赤岳鉱泉山岳診療所を応援したい!」というご要望にお応えして、500円寄付の返礼品:診療所チロルチョコと、1000円寄付の返礼品:診療所コーヒ―パックを準備しております。
赤岳鉱泉にお越しの際には、是非コーヒー&チョコで疲れを癒していただけたら幸いです。
今後とも、赤岳鉱泉山岳診療所をよろしくお願いいたします。