【山遊び♪レポ】人生最後のテント泊ソロ大縦走 ~1日目:新穂高温泉→槍ヶ岳→…~

山ナース

時期:2022年7月
報告:ホームページ管理人Mu

こんにちは!ホームページ管理担当者のMuです。
いつも「山遊び♪レポ」をご覧いただきありがとうございます!
今回の投稿は、前置きが長いと長くなるので早速ですが本題に入りますね。

「山遊び♪レポ」を読んだことない方に今回の大縦走までの簡単な振り返りをしますと・・・
(簡単な振り返りで済まさずに、他の投稿もぜひとも読んで欲しいです~。)

春頃から「今年の夏山シーズンは長距離縦走してみたいなー!」って考えていました。
きっかけは、講習会やガイドプランに参加している方の、新しいことや更なる高みに向かってチャレンジされている様子を見たり、
山の目標について話したり、技術・知識の質問を受けたりする中で、皆さんに刺激を受けたのが大きいです。

そして、自分の年齢も今年で1区切りつきます、年齢を意識していないと言ったらウソになるでしょう。
それから、山の大先輩の「歩けるときに歩いた方が良い♬」という助言です。

・・・ただ、ここのところ長距離を歩くような山行をしていないので心配でした。
そこで、春から長距離トレーニングをしてきました!・・・日帰りですが(^^;)
(その様子は下の題名をクリックすると、それぞれの投稿にジャンプできます)
①、【山遊び♪レポ】長距離縦走トレーニング(1day) ~西丹沢→蛭ヶ岳→塔ノ岳→大倉~
②、【山遊び♪レポ】無謀!? 55kmを1dayで・・・高尾山口駅→奥多摩駅 ~長距離縦走トレ②~
③、【山遊び♪レポ】土合駅1番ホームから始まる14時間の物語 ~残雪の谷川岳馬蹄形縦走(左回り1day)~
そのトレーニングも2か月近く開いてしまったので効果が無くなっているような気もして、出発を前にして不安でいっぱいです。

今回の計画
今回の縦走計画は、槍ヶ岳の登山口や西穂高岳へのロープウエイ等がある岐阜県の新穂高温泉を出発し、富山県の立山黒部アルペンルートの室堂バスターミナルをゴールとしました。
(地図がある方は、地図を見ながら読むのがオススメです!地図が無い方は、出来るだけ分かりやすい内容にしますので、そのまま読んでください。)
1日目に新穂高温泉から槍ヶ岳へ登頂し、西鎌尾根を経由して双六小屋、三俣山荘から雲ノ平へ
2日目に薬師岳、五色が原を経由して雷鳥沢キャンプ場へ
3日目に剱岳を往復して室堂へ下山

登山地図を見た方は「エッ!」と思っているかもしれませんね。
1日の歩行距離がかなり長く、3日間でコースタイム60時間ほどを歩くハードな内容です。
自分でも体力的に相当に厳しいと思っていますが、(ここまでは、出発前に書いた文章なので)果たしてどうなるか!?

得意(?)の暗闇スタート!で槍ヶ岳へ
1日目の未明に新穂高温泉を歩き出しました。

まずは9月にガイドプラン「槍ヶ岳」(詳しくはこちらをクリック)で予定されているルートとは逆方向から槍ヶ岳へと登り、西鎌尾根を双六小屋へ。
そこでガイドプランのルートと別れて雲ノ平方面へ。

早い梅雨明けで猛暑が続いているため標高の低い新穂高温泉(標高1100m)からしばらくは、涼しい時間に通過してしまう作戦です。
とは言え、暗い中をヘッデン頼みで歩くことで涼しさを得る代わりに、道迷いや転倒のリスクは増えてしまいます。
なので、無理はせずペースも落とし、怖いことを考えない(※)ように歩きます(※【山怖い🥶レポ】恐怖! 夜×雨×単独×登山 ~妄想との孤独な戦い~をご参照ください)。

新穂高温泉から槍ヶ岳までは、暗闇でも分かりやすいルートになっていますが、白出沢やチビ谷、滝谷では大雨の度に対岸までのルートが変わるので、
道はハッキリとしていませんが焦らずに落ち着いて対岸のルートを探してください。基本的には同じ高さよりも少し登った位置にルートはあります(下ることはないです)。

空が明るくなり始めた頃に槍平小屋で給水をして再出発。
樹林帯を抜けたタイミングで振り返ると、モルゲンロートに染まった笠ヶ岳とその稜線が、今日の縦走が楽しいものになると期待させてくれます!
梅雨明けは早かったですが、ここのところ悪い天気が続いていましたが、今日は天気良さそうです!
やりましたね~!私は「自称晴れ男」なのです!

ただ、新穂高温泉から槍ヶ岳へのルートは正面に「槍ヶ岳がドーン!」と見えない・・・実際には槍ヶ岳は見えているけど、「みんなの知っている槍ヶ岳じゃない!」んです。
なので、ここの登りでは振り返った眺めを楽しむのと、見えない槍ヶ岳への期待を高めるとこなんですね。
と思いながらジグザグに歩きやすい登山道を登ります。

そして飛騨乗越に到着するとバーンと視界が広がり、いきなり蝶ヶ岳、常念岳や大天井岳(もちろん槍ヶ岳も)が見えます。

槍ヶ岳山頂への往復は、体力温存のためザックをデポしました。

山頂は、誰もおらず独り占めです。夏山シーズンの好天でもこういうタイミングがあるんですね、やっぱり平日サイコー♪

山頂からの360度の眺めは、皆さんが登った時のお楽しみにして今回は、私の記念写真だけ・・・

上手く撮れずにfinetrackのCMみたいになっちゃいました(えっ、CMになってない!?)
気を取り直してもう1枚!

西鎌尾根はガレ、ザレの岩尾根となだらかな稜線の2つの顔
槍ヶ岳から西鎌尾根へガレた登山道を下りていきます。
千丈乗越から双六方面は、足場が狭い上にガレている箇所も一部にあって緊張します。
こんな不安定な足場では、履いてきたエクイリビウム(紹介した投稿はこちらをクリック)が強さを発揮しているハズですが、靴の性能に頼り過ぎずに油断せず慎重に歩かなければと思いました。
西鎌尾根ではいると想定していなかった雷鳥との遭遇が2回。1回は雌単独。もう1回は雌+ヒナ。
今回の縦走では、まだ雷鳥の写真をゲットしていないので、そ~っと近づいてパチリ!

後で写真を見ても何を撮ったかとしばらく考え込んでしまう分かりづらさ、スミマセン!
硫黄乗越を過ぎるまでは、北斜面の一部に残雪があってルートファインディングしながら歩くこともありましたが、双六小屋に近づくにつれて険しさは消えます。
視線を下の方に移すと、硫黄尾根の下の方にエメラルドグリーンが・・・温泉!?

この季節は日差しがきついので、3000m級の尾根歩きでも風が無い側を歩いていると汗だくになるので温泉に入ってサッパリしたくなります。
西鎌尾根は、槍ヶ岳を背にしながら歩くのでも素晴らしい眺めなので、槍ヶ岳に向かっていたらワクワクが止まらないの間違いなしですね♪

双六小屋で疲労感・・・なので、巻き道で三俣山荘へ
双六小屋に着くと、小屋番さん達は夏山シーズンに向けて準備に忙しそう。

少しお話しを聞いたら、さすがに今日は暑いって・・・やっぱり。
汗をかくと体力の消費が大きいと感じます。
この先、雲ノ平まで進むことを考えて三俣山荘までは巻き道ルートを歩きます。
双六小屋から三俣山荘までは、中道ルート、巻き道ルートを歩くと大きなアップダウンも無くお花畑の中をのんびり歩けるので好きなポイントです。
背後にどど~んと構える鷲羽岳をバックに三俣山荘が見えてくると、「黒部源流」に入ったなと感じます。

三俣山荘から雲ノ平方面へ向かうと「黒部川水源地標」があります。

私はてっきり「黒部源流標」と書いてあるのだと勘違いしていたので、標識を見つけるまでは「源流」からプロレスラー「天龍源一郎」選手を思い出して「源流天一郎」と言い換えて、「源流のパワーボム!」などと言いながら歩いていました。
(「天龍源一郎」選手は、よくバラエティー番組にも滑舌が悪いということで出演していたのでご存知の方も多いのでは?)
水源地なので“最初の一滴”というようなチョロチョロした流れを想像していたのですが、斜面のそこらじゅうから大小様ざまの流れがあって、さすが流量の多い黒部川の始まりといった感じです。
これが本流だろうという流れの渡渉ポイントには、ピンッと張られたロープがあり、それを頼りに渡ります。

最奥の地“雲ノ平”!
水源地から台地の上にある雲ノ平へは登り返すのですが、さすがに登りの筋肉を使い切ってきた感じです。
あるペース以上のスピードでは登れません。
それでも一歩一歩登れば、険しい北アルプスの中で広くなだらかなので、“平ら”と表現しても間違ってないなと思う雲ノ平に到着です。
ここにも雷鳥がいましたが、南アルプスの雷鳥と比べるとかなり、西鎌尾根の雷鳥よりも少し小さい気がします。
やはり環境が厳しいせいでしょうか?
また、母親はヒナを守ろうとなのか羽を半端に広げて自分が傷ついたフリをしているような動きを見せます。
(下の写真で白い翼をヒントに探してみてくださいね)

ゴメン!急いで離れてあげたいんだけど、私もそこまでの元気が残っていないので、マイペースに離れます。
今シーズンは都合により中止してしまった雲ノ平のガイドプラン(詳しくはこちらをクリック)ですが、
来シーズン開催の際には最奥の地雲ノ平で、山小屋泊のゆったりとした時間を過ごせるのではないかと思います。

時間を気にせず雲ノ平でテントを張って、ゆっくりと沈んでいく太陽を見ながらちょっとひと手間かけた食事を作るなんて良いですね。
でも私はソロだと、ゆったりとした時間を過ごしたい♬
・・・という気持ちよりも「早く下山したい病」により先に進みたくなってしまうんです。
今回の雲ノ平でもダメでした。

やっぱりソロでのテント泊大縦走は、人生最後だと思いました(;^ω^)

つづく☟
【山遊び♪レポ】槍から剱へテント泊ソロ大縦走2泊3日 ~1日目の雲ノ平→2日目の薬師岳→…~