【山遊び♪レポ】槍から剱へテント泊ソロ大縦走2泊3日 ~1日目の雲ノ平→2日目の薬師岳→…~

山ナース

時期:2022年7月
報告:ホームページ管理人Mu

こんにちは!ホームページ管理担当者のMuです。
いつも「山遊び♪レポ」をご覧いただきありがとうございます!
今回は、私Muの人生最後の北アルプスのテント泊ソロ大縦走の続き(その2)です。
続編が気になっていた方にはお待たせしてしまいました!
その1を読んでいない方は、まずコチラ「人生最後のテント泊ソロ大縦走 ~1日目:新穂高温泉→槍ヶ岳→…~」←をクリックしてご覧ください。

(その1は、読みごたえがあったので疲れてしまった方もいると思い、その2は少し短くしています。)

では、その2スタート!
来年は泊まりたい薬師沢小屋
雲ノ平のテント場から20分ほど歩いた場所にある雲ノ平山荘は、最奥の地にある山小屋とは思えないような洒落たデザインです。

その横を歩きながら「来シーズンは泊まりに来るよ」と呟いて先に進みます。
(ソロで他の登山者もおらず、喋らないので独り言でも言いたくなっちゃいました。)
雲ノ平は木道が整備されているので歩きやすいですが、前回訪れた時よりも木道の損傷が進んでいると感じました。
整備費用は誰が出しているのか分かりませんが、この素晴らしい環境を守るのは相当大変だと思います。

そして、木道が終わると先ほど渡渉した黒部川(この辺りは「奥の廊下」といいます。有名な「下の廊下」の最奥の流れです)まで下りていきますが、
ここは樹林帯の中でジメッとしているので岩が滑りやすく、さらに段差が大きい箇所も多いので慎重に下りていきます。
1時間ほど下りると、今回の縦走で最も低い(スタートの新穂高温泉から槍ヶ岳までの登り部分は除いて)1912mの薬師沢小屋に到着です。

薬師沢小屋には、小林美智子ガイドの友人の大和景子(イラストレーターの“やまとけいこ”)さんが小屋番さんで勤めているので、挨拶だけでもしたいな~と思いましたが、
男性の小屋番さん2人が黒部川へと張り出すデッキを忙しく建築中で見当たりません。
ちょっと脱線しますが、このデッキでのんびりしながら黒部川の透き通った流れを見て過ごすのも最高なんです!
大和さん、受付にもいないようなので小屋を出発すると、すぐに草刈り機を担いだ大和さんに出会いました。

挨拶と来シーズンのガイドプラン「雲ノ平」(詳しくはこちらをクリック)の時には薬師沢小屋でお世話になるので、よろしくお願いします。という話しをして別れました。

長い1日目の終わり
今日の宿泊場所は、太郎平(旧薬師峠)キャンプ場と決め、そこまで残り数時間。
それにしても、この時期はどこを歩いても高山植物の花が満開で素晴らしいです。

そして、同時にムシ達も短い夏を競い合って生き急いでいるようで、私にもまとわりついてきます。
雲ノ平ではコバエが多かったですが、薬師沢沿いはブヨでしょうか、刺されたくないですね。
刺さないコバエも呼吸のタイミングで鼻に入ったり、耳に飛び込んできたりしてうっとうしいです。
すぐに防虫ネットを被れるように準備しておいた方が良いです。
ずっとネットをしているのは風通しが悪くなるので暑い時はムシの種類と量でネットを被るか判断すると良いでしょう。
太郎平キャンプ場に着いて、素早くテントを張り食事を済ませて歯を磨いたらすぐに横になりました。

遠くで賑やかなグループがテントの中で盛り上がっているのを子守歌に一瞬で眠りにつきました。。。

2日目はご来光を狙っての暗闇スタート
顔が冷たくて目が覚めると、テントの中の結露が酷い!水滴が顔に付いて目覚めたみたいです。
軽量化のためシングルウォールのカミナモノポールを選択したので、寝る時にもう少し換気に気を遣っておくべきでした。
でも、設営は速くて楽なので仕方ないですね。タオルで拭いては絞る、を繰り返して落ち着いたら、食事を済ませてテント撤収し出発!
太郎平キャンプ場から薬師岳方面は、この時期は雪が多く残っていて、夏道が埋まっているので暗い時は特にルートを見失いがちなので注意が必要です。
歩いてみると前回よりも少し残雪が多い?かと感じて、この先の室堂付近までの行程で難儀しそうなポイントがいくつか頭に浮かび心配になりました。

薬師岳は、偽ピークがあるわけではありませんが、なかなか本当の山頂に着かない印象を持っていました。でも今回、それほど遠くないことが分かりました。
今までは毎回天気がイマイチだったから、そう感じたのかも知れません。
(天気がイマイチな話しは私がまだ「自称晴れ男」になる前の話しですので、誤解のないようにお願いします!今は晴れまくり!?です)
今日も長い行程なのでゆっくりペースを意識しましたが、夜明け前に薬師岳の山頂に到着。
下の写真はこの先の縦走路です。遥か先に剱岳や立山が見えます。

太陽が出てくる予定の空は、オレンジ・黄・白・青・黒(実際には文章では色を書けないほど)の美しいグラデーションで、私はご来光よりもこのグラデーションを見るのが好きです。

ご来光まで20分ほどあったので、山頂標識と自撮り写真を撮影、エネルギーと水分を補給、日焼け止めを塗って、サングラスとこの先岩場が続くのでヘルメットを装着。
それでも時間があるので360度をじっくりと見渡すと、昨日登頂した槍ヶ岳よりも明日登る予定の剱岳の方が近くに見えて、とにかくホッとしました。
下の写真は剱岳と立山ですが、手前の山並みを見るとまだまだアップダウンの繰り返しだと気合が入ります!

続いて同じ倍率で槍ヶ岳方面を撮りました。
どうです?槍ヶ岳(下の写真)よりも剱岳(上の写真)の方が近く見えませんか?

ご来光に道中の安全を祈って薬師岳を出発します。

誰もいない縦走路
薬師岳から先はなだらかですが、スゴ乗越まで600mほど下りていきます。

その途中で、ガラガラと岩が落ちる音がしたので、そちらを見るとシカが慌てて逃げていきました。
こんな標高の高い豪雪地にシカがいるなんて驚きです。雪解けしてから上がってきたのでしょう。
私が進むたびに登山道を軽~い脚取りで逃げていきます。
「あの脚が欲しい!」という願いは叶わないとは分かっていますが、シカがいるということはシカがダニも持ってきて葉っぱに付いているのではとフト思いました。
下り進むにつれてスゴ乗越の頭と越中沢岳が、まるで壁のように立ちふさがっているように見えて、どうやって登るのかと登山道を探してしまいます。
振り返ると薬師岳までのなだらかな稜線ですが、ずいぶんと降りてきてしまったなぁ~という、先に進んでいるけど標高が下がったので、また登り返さないといけないということを考えてしまいます。
ネガティブだなぁ~
(☟スゴ乗越付近から薬師岳方面を振り返って)

スゴ乗越小屋とテント場は誰もおらず、静かなものでした。
この先へ進むルートはテント場の奥から続いているので、知らないと探してしまい焦る人もいるのではないかと思います。
スゴ乗越の辺りは、急斜面に雪が残っている部分があって、少し気を付けて歩かなければいけません。
雪の上にいた雷鳥親子を驚かせてしまって、雪の上を5~6匹のヒナがピヨピヨ鳴きながらアチコチへ散っていくので、滑落しないかと心配になりますが、私が離れないと平静に戻らないので去ります。
スゴ乗越まで下りると次は体力勝負の登り、まずはスゴ乗越の頭へ、続いて越中沢岳、それが終わると鳶山。
(☟越中沢岳を越えると五色ヶ原と手前の鳶山が望めます。なだらかな登りですが意外にキツイ)

スゴ乗越の頭、越中沢岳は、段差が大きい箇所が多くて、足を大きく上げて腕の力も使って身体を持ち上げるので、だいぶ体力を削られます。
これ以上の登りは、脚の筋力が厳しい、勘弁してー!というタイミングで、ちょっと休める五色ヶ原です。
五色ヶ原は、高山植物の宝庫で花が咲き乱れています。
(☟高山植物のお花畑の向こう側に五色ヶ原山荘が見えます)

標高2500mの雲上の楽園ということで山小屋とテント場があるので、「いつか行ってみたい場所」と考えている人も多いと思います。
小屋の2Fの窓を開けて小屋番さんがこちらを覗いていたので「水をいただきます!」と大声で叫びガブガブと飲んでエネルギーも補給し大休止しました。
ここで昼前なら、雷鳥沢キャンプ場には夕方に着けそうです。
しかし、これだけ人がいないと、この先の雪渓などは雪切り(登山者が歩きやすいように斜面の雪をL型に切り取る)されていないのでは?
と思い、油断しそうな気持を引き締め直しました。

つづく☟
遂に下山!Muの北アルプステント泊ソロ大縦走3日間 ~新穂高→槍→雲ノ平→剱→…完歩できた?~