時期:2022年7月
報告:ホームページ管理人Mu
こんにちは!ホームページ管理担当者のMuです。
いつも「山遊び♪レポ」をご覧いただきありがとうございます!
私Muの人生最後の北アルプスのテント泊ソロ大縦走の下山後の話しです。
まず、登山の様子を読んでいない方は、その1から順番に
その1→「人生最後!?のテント泊ソロ大縦走 ~1日目:新穂高温泉→槍ヶ岳→…~」
その2→「槍から剱へテント泊ソロ大縦走2泊3日 ~1日目の雲ノ平→2日目の薬師岳→…」
その3→「遂に完結!Muの北アルプステント泊ソロ大縦走3日間 ~新穂高→槍→雲ノ平→剱→…完歩できた?~」
をそれぞれクリックしてご覧ください。
それでは、スタート!
“はじめてのせっかい”
下山後の日帰り温泉でダニに思いっきり咬まれていたのに気付きショックでしたが、咬まれてしまったのは仕方ない話しで、まずは除去しないといけないです。
なので、翌日の朝、皮膚科に行きました。
問診票には“ダニに咬まれた”と書いたのですが、先生は初めてダニを見たのか(足や胴体の一部が無くなっているから分からないかも知れませんね)
「ダニかな~?」
「アルコールをかけたら大概のムシは取れますからね」と言ってアルコールをかけます。
「アルコールをかけても死んでいるから取れないです」と心の中で思いましたが、先生も真剣に診てくれているので言葉にはしません。
「取れないな~」「おかしいな~」となってから、看護師さんが「切開ですかね?」と先生に。
そうです!
やっとでました「切開」という言葉、待っていました。
私が以前に所属していた山岳会が登録していた団体では安全登山を目的として事故報告会を開催していましたが、その時にマダニに咬まれた事例で“切開した”と書いてあったので、ようやく“そこ”に辿り着いたか、これで帰れると思いました。
しかし、先生に「では、そこのベッドに横になってください」と言われるまで、私は「切開」という単語の意味をよく理解しようとしていなかったことに気付きました。
切開って“切り開く”ですよね、どう考えても。
ダニの口が肉に刺さって取り除けない以上、肉ごと取り除くしかないということです。
あー、気付いた時には、時すでに遅しです。
やるしかありません。
横になってお腹の上に一部だけ丸く穴の開いたシートを被せられます。
「これって、ドラマとかで見る手術シーンで患者さんのお腹の切る部分以外を隠す青いシートのミニサイズ版だ!」
さらに、ステンレスのトレイが持ち込まれて、横になった状態ではトレイの中身は分かりませんが、トレイを置いた瞬間にガチャって音がして、同じ金属の道具がぶつかって鳴る音がしました。
これは、メスやハサミのようなものが入っているに違いありません。
もう眼を開けているのが怖いので閉じたい!
お医者さんと看護師さんの2人だけですが、やるとなったら早いです。
今まで歯医者さんでしか見たこともないような強烈なライトがいくつも付いたライトを私のお腹の方に当てて「麻酔の注射だけ痛いですから我慢してくださいね~」と優しく言われます。
優しいのはありがたいですが、先生が言っていることに嘘はなく針が刺さると「うぐぅ~」と小さく唸り、指でシーツを強く握って我慢するような痛みが・・・。
それが終わると切開に取りかかりますが、麻酔が効いているため痛みもなく、何をされているかの感覚も無いままで、1分もかからなかったのではないでしょうか。
以前、キムタクがお医者さんの役でドラマの主役を演じていた時に、縫合する際の手の動きをスムーズに演技していましたが、同じ動きを先生がしていました。
何針縫ったのだろう?そんなに大きく切ったのかな?と心配になりましたが、患部はガーゼを当ててテープで止められていたので見えません。
終わった後で先生がダニの口を含む全てを取り除いたと分かるように見せてくれました。
私の肉ってこんなピンク色なの?と思いましたが、横幅5mmほどのダニは1cmほどの肉片と一緒にキレイに取り除かれました。
取り除いても終わらない感染症の心配
近年、マダニに咬まれることにより感染する症例が増えていて怖いのが重症熱性血小板減少症候群(SFTS)です。
潜伏期間が6~14日と長く、発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)等が起こり「ただのカゼ」と思ってしまって、そのまま重症化して無くなる方も多く、致死率は10~30%程度あるそうです。
(詳しくは、厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000169522.html)
私がこれを書いている時点でちょうど2週間経ちましたが、その間に何かあれば病院で「ダニに咬まれた」ことを伝えなければいけないと思っていました。
あと、感染症とは関係ありませんが、縫合した糸は自然には消えてなくならないナイロンの糸なので1週間を目安に抜糸する必要があります。
私は1cmくらい切られて2針縫われていましたが年齢的にも傷痕の治りが悪いです。
抜糸が遅くなると、先生が言うには「魚の骨のような痕」となって残ってしまうそうです。
でも、ダニをキレイに取り除いてもらったことは、本当にありがたいと思いました。
次回は、ペット用のティックツイスター(ティック=ダニを挟んでクルクル回して除去する器具)を使えるように持って行かないといけませんね。
(今回は軽量化で省略していました(+_+))
人生最後とは・・・
今回の縦走の記録を最後まで読んでいただいてありがとうございました。
最後にその1でタイトルに「人生最後」と書いたことについて書かせてください。
今回、「人生最後のテント泊ソロ大縦走」ということで、あと少しというところで天候に阻まれて剱岳は行けませんでしたが「やりきった!」と思っています。
ですので、今回のような①テント泊、②ソロ、③長距離縦走、④水以外は無補給という条件、これが全て揃っている条件の山行はもう卒業かなと思います。
次の機会では・・・
できれば小屋泊で軽く。
できれば2人以上のグループで楽しく。
できれば短距離でもう少し気楽に。
できれば美味しいものを現地調達で。
最低でも1つは条件を変えたいと思っています。
まだまだ、山に登ることが楽しく年齢的にもあと30年くらい登山をできたらいいなって思いますが、今回のような縦走は終了!
ということで、今後の私Muの登山記録がどう変わっていくのか?をお楽しみに引き続きホームページをご覧ください。
よろしくお願いいたします。
Muの北アルプスをテント泊ソロで大縦走 完!