【山遊び♪レポ】残念ながら縦走途中の下山を決定 ~扇沢→親不知をテント泊ソロ縦走なるか!?~

山ナース

投稿時期:2023年10月
投稿者:ホームページ管理人Mu

こんにちは!ホームページ管理担当者のMuです。
前回の投稿で、鹿島槍ヶ岳から八峰キレットを通過して五竜山荘に到着しました。
参考に山と高原地図の一部を貼り付けておきますので、地図を見つつ投稿を読むと分かりやすいと思います。

地図の真ん中左の五竜山荘に着いたところです。

前回(扇沢から五竜山荘)までの投稿は↓をご覧ください。(クリックすると移動します)
【山遊び♪レポ】人生最後じゃなかった?テント泊ソロ長距離縦走 ~扇沢→親不知をテント泊ソロ縦走なるか!?~ – 小林美智子山岳看護師事務所(山ナースガイドオフィス) 
【山遊び♪レポ】ゴタテの空白を埋める縦走 ~扇沢→親不知をテント泊ソロ縦走なるか!?~ – 小林美智子山岳看護師事務所(山ナースガイドオフィス)
【山遊び♪レポ】八峰キレットで恐ろしい決断!? ~扇沢→親不知をテント泊ソロ縦走なるか!?~ – 小林美智子山岳看護師事務所(山ナースガイドオフィス)

五竜山荘に到着後
暗くなる間際に到着するというマナー違反をした私を暖かく迎え入れてくれた五竜山荘。

受付している間に外は真っ暗、風は山荘に当たって「ゴゴゴッ」と怖い声で鳴いている。
とてもテントでは泊まれないと私は思いましたが、2張のテントがありました。
「ツワモノだなぁ~!よく眠れるなぁ~!」
とただただ「自分はまだまだだ!」と感心しました。
安全地帯に入った私ですが、既に19時になるので急いでレインウエア等の濡れモノを乾燥室に放り込んでから、アルファ米を食べる準備をしつつ地図を眺めて明日以降の行程を確認しました。

日本海への道筋
今回の縦走のコースタイム50時間ほどのうち、今日は約16時間分を8時間半ほどで歩きました。
最終日(3日目)には家まで帰りたいので、できれば早めに下山したいと考えると、2日目の明日は唐松岳、白馬岳、朝日岳を越えておかないと3日目が不安です。
何度も地図を見直してルート確認とコースタイムを計算しました。
明日は明るくなるくらいに出発で良いと判断し「3時起き」を決めて早めに寝ました。
いつもの事ですがトイレが近い私は夜中に何度かトイレに行きましたが、その度に山荘を揺らすような爆風に肩をすくめて急いで布団にもぐり込みました。

さらばテント
スマホのアラームに起こされて、ついつい先の行程が長いので早めに準備を済ませ玄関に行くと外は真っ暗。。。
ヘッデンスタートでも問題の無い区間ですが、今朝は別の問題が・・・。
「ドドドン」という爆風
出発を見合わせている登山者と「参りましたね~」なんて声を掛け合いながら、外にも登山者がいるので恐る恐る玄関を開けてみると小屋のおかげで西からの爆風から守られていて、さながら重低音に特化した音響の素晴らしい映画館のよう。
外にいた登山者に声をかけると、テント撤収の際にテントを飛ばされ、テントは諦めて唐松岳方面に向かったが1分も進まないうちに爆風に合って引き返してきたとのことでした。

飛ばされる!
そんな話しをしているうちに空が明るくなってきたので、安心して出発できると思い歩き出します。
小屋を左に見下ろしていく感じで登り出すと、小屋の玄関外での穏やかな風が巧妙なワナだったかのように突然の強風に体がつんのめりました。
写真を撮る瞬間だったのでこんな↓写真になりました。

70㎏近い私の体が風で大きく動いてしまうような経験は少ないので、何のことはない登山道なのにこの先が心配になります。
それでも「引き返してもしょうがない、慎重に進もう」と重心を低くしてストックを強く握りしめて進みます。
遠見尾根との分岐がある白岳という小ピークから唐松岳方面を眺めれば、爆風に流される雲が見えました。

分岐をどちらに進むかは、そんなに迷わずに済みました。
このまま稜線を歩くのは危険で、特に唐松岳の先にある不帰キレットなどの岩場でこの突風を食らったらヤバイと思い下山を決めました。

↑は下山を決めてから撮った五竜山荘と五竜岳

テントを飛ばされた好青年と
分岐で下山を決めたタイミングで先ほどのテントを飛ばされた青年が再出発して、やはり「このまま下山する」とのことでした。
そこからは2人で這いつくばるようにして突風の影響が少ない東面(長野県側)へ少しずつ逃げました。
↓東斜面側に逃げれば、すぐに風は落ち着きます。

風が落ち着いてくると、辺りを見回して「あれが飛ばされたテントでは?」などと話したり、お互いの済んでいる地域やこの後でどうやって帰るのか?などプライベートなことを聞いたりしながら下山しました。
↓テント見つかるかな?

下山する際に何度も後立山連峰を振り返りましたが、ガスに覆われて見えなくなっていきました。

「ん?」な高山植物園
冬はスキー場となるので最後はゴンドラで一気に下山できますが、その前に「白馬五竜高山植物園」を通ります。
↓好青年を後ろから。

ちょうど『青いケシ』と『日本最大のコマクサ大群落』を見ることが出来ました。

・・・が、もの凄い違和感でした。
多分、登山をしていなかったら感じなかったと思いますが、山の中ではかなげに咲いている高山植物たちが、ここでは「これでもか!」という具合で咲いているんです。

素直にキレイ!って楽しめれば良かったんですが、不思議な感覚でした。
それでも思わず青いケシや白いコマクサの写真を撮ってしまいましたが(^_^;)

再チャレンジへ!
ゴンドラの麓駅から大糸線の飯森駅まで、「ミーンミーン」というセミの音を聞いて下り坂なのに汗を流すような蒸し暑さの中で下界の夏に体が戻っていく感じでした。

今回、計画の3分の1程度しか歩けなかったのですが、また次回も今回と同じ扇沢から歩こうと思えるには時間が経っていなくて、最近でも多くの登山者が滑落して亡くなったりケガをしたりしているので、なかなか再チャレンジのことが考えられない状況です。。。

電車を乗り換える際に信濃大町駅のホームからゴタテを見ると「また来てね~♬」と誘うように雲が無くなっていました。

今後も山遊びレポートをお楽しみに~!