【山遊び♪レポ】ついに完結!・・・が、下山後に。。。 ~ソロテント泊八ヶ岳南北縦走④~

山ナース

投稿時期:2023年6月
投稿者:ホームページ管理人Mu

こんにちは!ホームページ管理担当者のMuです。
夏の北アルプス縦走に向けたトレーニングを兼ねた登山「ソロテント泊八ヶ岳南北縦走」の最終回です。
前回までの投稿を見忘れている方は、まずは↓の投稿をご覧ください。(クリックすると移動します)
【山遊び♪レポ】疲れない登山の歩き方とは ~ソロテント泊八ヶ岳南北縦走~ – 小林美智子山岳看護師事務所(山ナースガイドオフィス)
【山遊び♪レポ】高山病とその対策とは ~ソロテント泊八ヶ岳南北縦走②~ – 小林美智子山岳看護師事務所(山ナースガイドオフィス)
【山遊び♪レポ】登山における天気の重要度はどれくらい? ~ソロテント泊八ヶ岳南北縦走③~ – 小林美智子山岳看護師事務所(山ナースガイドオフィス)

三度寝9時間睡眠の結果
記憶を辿ると昨夜は18時半頃までは起きていて、それから22時半と1時半に目が覚めました。
その都度「(残りは北横岳と蓼科山の2山だけなので)慌てることはない、もうひと眠りしよう。」と三度寝した結果、目覚ましに叩き起こされるまで、「よく寝たな」という実感がありました。
前夜にネットで確認した「赤岳(八ヶ岳南部)」の天気予報は雪でしたが、私が今いる八ヶ岳の最北部は未明に雨が止んだようでした(さすが!晴れ男!←私Muのことです(^_^)v)。
穏やかに吹く風で、既に乾き始めているテントを、陽の光が当たったら溶けてしまうのを恐れているかのように急ぎ片付けます。
雨が止んだことで、片付けと準備はスムーズに進み、北横岳に向けて出発します。
この辺りにはロープウェイで上がってきた観光客が歩けるような散策路がありますが、岩がゴツゴツしていて歩きやすいわけではなく、しかもいきなり階段の急登!
朝一なのでゆっくりと丁寧に歩いているのに、疲労で足が上がっていないのかコツ、コツと足先が引っ掛かるので楽しくありませんでした。
う~む、どうやら9時間の睡眠効果は、期待したほどではないようです(◞‸◟)。
観光客が歩く散策路から登山道になると、北横岳までは急な登りではないので歩きやすいので、調子がでてきました。

北横岳の標識には小さなエビのしっぽ(風に飛ばされた雪が積み重なって、長く伸びた雪がエビのしっぽのように成長する様子)ができていました。
厳冬期でもない時期に珍しいのでパチリ!

また、縦走の初め(八ヶ岳南部から)は小さく見えていた蓼科山が、丸みを帯びたままで間近に迫ってきました。
少し脱線しますが、この辺りの道路で“ビーナスライン”がありますね。
私は今まで何でビーナスなんだろうか?と疑問にも思わなかったのですが、今回の縦走のことを調べていたら実は蓼科山が別名「女神山(めのかみやま)」というんだそうです。
確かに南八ヶ岳のゴツゴツした山と比べたら女性的な形の山ですよね。

最も悪い残雪区間
北横岳から亀甲池までの下りは北側の斜面ですが、ここは残雪が多い上に急斜面なので今回の縦走で最も注意が必要な区間でした。

急斜面なので登山道はジグザグに進みます。
途中で進行方向が急に曲がりますが、そこで一気に角度が急になります。
ちなみにそこを、登山用語で「ジグとザグの間」と・・・言いません(すみません(^^;))。
場所によっては、アイゼン+ピッケルが必要かと言うような場所もありますが、未明までの雨のため気温が高く雪が柔らかめであり、樹木に手をかけて下りられたため使用しませんでした。
残雪が無い時季なら私のように南から北へと縦走する方が良いと思いますが、残雪期は雪の多い北側斜面を登りにして北から南へ縦走するのもアリですね。

蓼科山へは最後の試練!?
残雪を抜けると亀甲池、ここは風が無く水鏡(水面に景色等が映ることで、“逆さ槍”とか有名ですよね)がキレイでした。

昔見た、上高地の明神池を思い出しました。
しばらくなだらかな道を進み、いよいよ南北縦走最後の山となる蓼科山へと分岐して登ります。
雨だと水が流れる、ガレた沢・・・ではなく登山道を登っていきます。

けっこうな急斜面で、しかも大きな岩に足を振り上げるので体力を消耗します。
日帰り縦走だったら、ここが本当にラスボス級の試練だったでしょう。
しかし、今回は1泊している上に、今日歩き出してから数時間で、体力的にも時間的にも余裕があり、天気も回復していたので気持ちに焦りはありませんでした。
そのせいか想像していたよりも(時間ではなく気持ち的に)早く蓼科山荘に到着しました。
ぱっと見で洗濯物?って思った沢山干してある売り物のTシャツが、強風に揺れていました。

チェーンスパイクや軽アイゼンも売っていましたが、その理由はその先に残雪が多いからのようです。
岩と残雪で下りだったら集中力が必要な区間を一歩一歩登ると、残雪は無くなりいよいよ蓼科山の山頂部に近づきます。
(下の写真は振り返ったもので、ゴロゴロした岩の先の樹林帯内に残雪があります。)

山頂に現れた女神!
蓼科山頂ヒュッテでは突風が吹く状況になっていて、ゴロゴロした岩の上なのでバランスを崩さないように慎重に進み山頂へ。

強風なので記念写真を撮って直ぐに下山開始。
(まだ、南八ヶ岳は雲の中です)

その時、風に飛ばされそうな様子の女性が現れました。
なかなか体重が落とせない私には羨ましいのですが、細い体は風の影響が大きいようで山頂付近は歩きづらそう(実際に「怖い」と言っていました)だったので、とりあえず、私のおせっかいで樹林帯に入るまで様子を伺いながら先を歩きました。
樹林帯に入ると風は途端に落ち着いて女性も安心したようです。
ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんのようなシュッとした鼻立ちで、私よりもだいぶ若い感じの方、身軽に下りてきます。
女性は強風に飛ばされそうで不安だったのですが、強風が落ち着いたら熊が心配に戻った(熊を心配しながら登った)ようで、私は「八ヶ岳に熊はいないですよ。」と言いました。
(私は居ないと思っていますが、南八ヶ岳や東面では目撃情報もあるようなので何とも言えないですが。)
私の言葉に説得力が有って安心したからか、それとも説得力が無くてクマが心配だからか、“楽しいおしゃべり”をしてくれました。
私も「あとは2時間弱下ったら終わり!」という勘違いをしていたので、リラックスして会話(主に登山の話しです。)を楽しみながら・・・だと、本当にあっと言う間に登山口に下山しました。
登山口のバス停でバスの時刻を調べると、なんと!「16:27」の1本のみ!

下山したのは9時半だったので7時間待ちです。
ここから茅野駅まで下り坂ですが4~5時間は歩く事になりそう。
私の好きなTV番組のバスだけを乗り継いで目的地を目指す旅だったら、歩くしかないのですが、TVでは、いわゆる“マドンナ”(ゲストの女優、女性タレント)の足が痛くなり「もう歩けない」となるか、お笑い芸人が足を引っ張ってしまう展開で・・・
「バス旅番組なら終わってるな~」とバス停を見ていたら
「乗っていきますか?」と“高嶋ちさ子”さん似(ですが若い)の女性が声をかけてくれました。
彼女から「やっぱりやめた!」と言われたら困るのに「いいんですか!?」と聞き返している自分を反省しながら、彼女の顔を見ると・・・彼女は“高嶋ちさ子”さんではなく“女神様”でした。

縦走を終えて・・・
茅野駅近くのスーパーマーケットまで送っていただき、“女神様”は運転席から両手バイバイをして最後まで女神様のままで去っていきました。
蓼科山の山頂から、あまりにも早い展開で下山したので、スーパーマーケットで飲み物を買ってチビチビ飲みながら1人ボケーっとしていました。
・・・ぼんやりと考えていたのは
7月に北アルプスを縦走するのに、準備はできているかな・・・と思いつつ。
それまで休暇日の都合が付かず長距離を歩けなさそうなのが、現時点での心配事かな~・・・。

問題発生!
足をリラックスさせたいので、登山靴のヒモを緩めて足を出そうとしたときに「!」
ヒザに激痛が!
登山靴のソールが剥がれた!
ではありません。
酷い悪臭が!
今回の靴は、今まで長距離の縦走でも履いていた“頼りになる靴”でもあり、帰ってきたウルトラマン(カラーの)トランゴキューブGTXです。
【山遊び♪レポ】この色使いにピンときた! ~TRANGO CUBE GTX(トランゴキューブGTX)のソール張り替え完了!~ – 小林美智子山岳看護師事務所(山ナースガイドオフィス)
過去に使用した1回の山行での歩行距離も、1日の歩行距離も長く、ソールを張り替えるほど歩いたので仕方ない(?)のでしょうが、女神様の車で靴を脱ぐような事が無くて本当に良かったと安堵しました。
でも、今後もそういった機会が無いわけではありません。・・・よね?
(例えば、ガイドプランや講習会で山小屋に着いた際など)
これは帰宅したら真剣に消臭対策を考えなければ!と思いました。

※注意:私Muの他の靴では、今回のような酷い悪臭がすることはありませんので、くれぐれも誤解(他の靴、私自身が悪臭の塊)の無きようにご理解の程、よろしくお願いいたします。

というわけで、次回の山遊び♪レポートは~♪(「来週のサザエさんは~」風に)
「Mu、登山靴の匂いを嗅ぐ」
「Mu、消臭スプレーを買う」
「Mu、消臭スプレーを使う」の3本です!
次回もまた、読んでくださいね~♪
ジャンケンポンッ✋!